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室生寺の魅力〜矢内原伊作さん

奈良の室生寺。
憧れてやまないお寺の1つです。

部屋の本を整理していて、ふと目についた、矢内原伊作さんの『古寺思索の旅』。
久しぶりに読みかえします。

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室生寺のくだりです。

法隆寺や東大寺や薬師寺は、それぞれりっぱな伽藍ではあるが、その周囲に自然をも生活ももっていない。その意味では、それらは周囲から遮断され、自然からも生活からも切り離された抽象的な建造物である。これに反して、室生寺のなつかしさは、それが山ふところに抱かれて自然と一つになり、同時に室生村と一つになることによってわれわれの生活につながっているところにある。しかし、それだけではない。われわれが室生寺に対して、奈良の諸大好寺に対してもつのとちがった特別の懐かしさをおぼえるのは、その全体配置においても、一つ一つの堂塔建築においても、またその建築物のなかの諸仏像においても、奈良の諸大寺には見られない優しさ、親しさが感じられるからである。(中略)
たとえば奈良の諸大寺の建築は、法隆寺にしても東大寺にしても薬師寺にしても、いずれも左右対称のきびしい均整をもち、いかめしい門で守られ、巨大な金堂の屋根は重い瓦でおおわれ、いかにも重々しく人を威圧する。そのなかの仏像にしても相貌からして大陸的であり、きびしい抽象的造形が威圧的である。これに対して室生寺は全体の配置からして軽快であり、堂塔門小じんまりとして優しく、屋根は檜皮葺きや杮葺きだから、やわらかい感じで親しみやすい。
[矢内原伊作、『古寺思索の旅』より

前に書いた日記の写真を引用しますが、檜皮葺の屋根はとても美しいです。


矢内原さんは、十一面観音像についても書いています。

その唇の朱の何という美しさ。肉感を包む重厚な華麗さ、こういういい方には無理があるが、わたしがこの像で感じるのはまさにそういうものである。
[矢内原伊作、『古寺思索の旅』より

わたしも室生寺の十一面観音さまの、唇の朱には、ハッとさせられます。
大阪のどこのお寺か忘れてしまいましたが、やはり十一面観音さまの唇の朱にハッとさせられたことがあります。

土門拳さんをして「日本一の美男の仏」と言わせた弥勒堂の釈迦如来座像があり、日本一小さな国宝の五重塔があり、ふくよかな優しさをたたえた金堂の十一面観音立像がある室生寺。
京都や大阪から1時間以上かかるけど、何度でも訪れたいお寺です。

そういえば、シャクナゲ咲く季節にしか室生寺に訪れていないので、他の季節にも訪れてみたいです。






室生寺の日記はたくさんありますが、岡部伊都子さんの室生寺のいい歌を引用している日記がありました。



by momokororos | 2017-10-16 22:05 | お寺 | Trackback | Comments(0)