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想いに身をまかせられる小説

昨日のお昼頃からずっと雨降りが続きます。

先日読みなおした中里恒子さんの『時雨の記』がよかったので、中里さんの他の本も読みなおしてみようと思い、手元にあった中里恒子さんの『往復書簡』や『不意のこと』を読んでいたのですが、しっくりきません。

部屋の見える範囲を眺めて、他の本を取り出し、パラパラめくるも、意にかなうものは見当たりません。
高橋治さんの『風の盆恋歌』みたいな小説がいいと思っていますが、思いあたりません。

雨の日のゆっくりとした時間に、しっとりと想いに身をまかせられるような、おすすめの小説はないものかな。


2017年7月11日の日記

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2015年12月16日
金沢への想いつのります。「驚いたわいね、奥さんの手際には。あっという間に蓮根蒸しを作ってしもうがやさかい」(中略)「そんなことくらい、金沢の女やもの」高橋治さんの『風の盆恋歌』より。

2015年11月23日
部屋の本を探していたら、高橋治さんの『風の盆恋歌』がでてきました。また読んでみようと思います。ここしばらく行けていませんが、富山の越中八尾の「おわら風の盆」のお祭りは、特に惚れた祭りの1つ。来年あたり訪れたいです。

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by momokororos | 2017-09-17 22:29 | | Comments(0)

捨てられない雑誌〜本や絵本のいい特集

この前からのお部屋の整理で、絵本の雑誌のMOEなどを含むいろいろな雑誌を捨てようかなと思ったのですが、出てきた雑誌を読みこんでしまいました。

そんな中の1冊、FIGARO。

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本屋で見ていいなと思い、買ったはいいものの、そのままま中身を読んでいないという、よくありがちな話しです。

好きなジュンパ・ラヒリさんやエイミー・ベンダーさんのことが載っています。

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特にラヒリさんの『停電の夜に』はずっと昔に読んだ本ですが、また読みたいなって思いました。

このFIGAROに、むかし東京で一番好きだった新刊本屋さんが載っていました。
神宮前にあったKurkku Library さんです。

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原宿駅が最寄りで、千駄ヶ谷駅とのあいだくらいにありました。キャットストリートの渋谷とは逆側のエンドの近くで原宿の喧騒からも離れ、隠れ家的なエリアでした。

置いてある本がとても魅力的な本屋さんで、初めて買った本も覚えています。

岡部伊都子さんの『花の寺』。
本はしまいこんですぐには出てこないので、あとで見つけたら追記しますが、よく覚えています。

串田孫一さんの本を初めて手にいれたのも Kurkku Library さんです。
『星と歌う夢』。

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いまは20冊くらいもっている串田さんの本の最初の1冊でした。

FIGAROの他にも、penもいい特集してました。

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この2つの雑誌は10年前の雑誌なのですが、魅力あふれる記事が載っていて、捨てようと思っていたMOEも含めて捨てるのを保留にしました。

中を見てしまうと、なかなか捨てられません。中を見たから捨てる、と発想変えないとですね。


by momokororos | 2017-09-13 22:34 | | Comments(0)

夜を楽しむ本(其の二)

お部屋にある本の中で、夜を楽しめるような絵本や本を、少し前から集めています。

前に探してからしばらく、探す時間がなかったのですが、先日の絵本の入れ替えのときに何冊か見つけました。

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並べてみると、月の本が多いです。

たむらしげるさんの絵本も加わりました。やっぱり星の本が多いです。

文庫本や単行本は、夜に関係する本がまだまだありそうです。


「夜を楽しむ本」〜2017年8月22日の日記

by momokororos | 2017-09-12 22:38 | | Comments(0)

一番好きな新刊本屋さん〜大阪水無瀬の長谷川書店さん

京都をあとにして、阪急電車で大阪水無瀬へ。京都と大阪の際で、お隣りの大山崎駅は京都です。

水無瀬駅の改札を出たところの斜め前にある長谷川書店さん。

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その昔は、駅前に当たり前のようにあった本屋さんです。いまはほとんど見かけなくなりました。高校生のときは地元の本屋さんのおじさんにオススメの本を紹介してもらったものです。

長谷川書店さんは、街の本屋さんとしての、なじみの街の人たちとのなにげない会話が飛びかう本屋さんなのですが、遠くからの本好きをうならせる魅力的な本がたくさんあります。
訪れると、ものの10分もたたないうちにたくさんの本を抱えています。何度訪れても魅力的な本に出逢えて、新刊書店さんの中では一番好きな本屋さんです。

今回手にいれたのはこの3冊。

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もっとほしい本があったのですが、手持ちがなかったので、この3冊に限定しました。

近くにあればいいのにと思うお店の1つです。


「魅惑の新刊書店さん〜大阪水無瀬」〜2017年5月5日の日記

「阪急沿線の本屋さんと雑貨屋さん〜大阪・兵庫」〜2016年5月7日の日記

「素敵な本屋さんで手に入れた1冊〜大阪水無瀬」〜2016年1月9日の日記

「姫路と大阪の本屋さん〜おひさまゆうびん舎さんと長谷川書店さん」〜2014年11月2日の日記

by momokororos | 2017-09-04 22:02 | | Comments(0)

『今晩は荒模様』〜池田満寿夫さんの装画

なんて魅力的なタイトルと装画だろう、と思った本。5、6年前に南青山のCOWBOOKSさんの棚で見かけた白石かずこさんの『今晩は荒模様』。

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表紙には『Tonight is nasty』。背には『今晩は荒模様』と書かれています。
装画は、池田満寿夫さん。

COWBOOKSさんで初めてみたときは、ちょっと値段が高かったので、その場では買わず、次に見たときには売れてなくなっていて、かなり後悔した思い出があります。

しばらくたってから見つけたのですが、珍しくどちらで手にいれたか忘れてしまいました。しかも時を隔てて2冊目を手にいれています。2冊目は流浪堂さんで手にいれています。

好きで2冊同じ装幀の本を手にいれるのは珍しく、絵本を除けば、鴨居羊子さんの『下着文化論』と『わたしは驢馬に乗って下着をうりにゆきたい 』の本くらいかなと思います。

池田満寿夫さんは、この本を見てから気になりはじめた絵描きさん。
その後、池田さんの画集を何冊も見てきましたが、初期の頃の画集、限定出版の画集はなかなか見つかりません。
探しているときは見つからず、ひょんなときに見つかるものですね。

by momokororos | 2017-08-29 22:37 | | Comments(0)

また見てみたい川端康成さんの恋書簡

川端康成さんの恋の書簡の展示を3年前に岡山県立美術館で見ました。

「恋する女性と川端康成さんの書簡~岡山県立美術館」〜2014年 07月 19日
http://momokoros.exblog.jp/22213950/

川端康成さんの実らなかった恋、一度は結婚を誓い合った愛する伊藤初代さんとのあいだの恋書簡の展示を見て、川端さんの熱い恋心にほだされました。たどたどしい字で書かれた少年みたいな川端さんの恋文に親しみを覚えました。


返事するに困ることあるのか、もしかしたら病気ぢやないのか、本当に病気ぢやないのかと思ふと夜も眠れない
[川端康成さんの伊藤初代さん宛の書簡より]

誰が何と云つたつて僕を信じていらつしやい。君の思う事何でも承知してあげる。
[川端康成さんの伊藤初代さん宛の書簡より]


不安でありながら強い決意。揺れうごく気持ちが恋文の中に見え隠れします。
伊藤初代さんから「私には非常があるのです。」と書きしるされたお断りの手紙がきて、結局実らなかった恋。このころの未投函の川端康成さんの手紙があまたあるそうです。

川端康成さんはこの恋愛を、相手からの手紙をほとんど引用したかたちで『非常』という短編小説に書いています。

岡山県立美術館で見た川端康成さんの恋書簡をふたたび見たくて、展示会があるか期待していたのですが、今年6月に川端康成記念館で展示会が開催されていたのですね。見逃しました。

その後、『川端康成初恋短編集』の文庫本に書簡の写真が載っているを見つけました。

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岡山県立美術館での川端康成さんの展示では、岡山かの子さんの書簡も展示されていたのですが、その頃はまだ岡山かの子さんに興味をいだいていなかったので、さらりとしか見ていませんでした。どんな内容であったか気になります。


2016年5月17日
『川端康成初恋短編集』。川端康成さんが想いをよせる初代さんからの手紙と川端康成さんの手紙がみつかり、岡山県立美術館で展示されていました。その悲恋の手紙をみて川端さんの意外な一面に感動。初代さんとの交際をテーマにした作品集なんです。

2014年7月24日
岡山県立美術館の川端康成さんの展示会では、川端康成さんと岡山かの子さんの書簡も展示されていました。東京に戻ってきて、中目黒のCOWBOOKSさんで岡山かの子さんの本を見つけました。名前はときどき聞くけどよく知らないので読んでみよう。

by momokororos | 2017-08-28 22:30 | | Comments(0)

マクロ的パターン〜アンドレアス・グルスキーさんの写真集

東京都心でも20時を過ぎると、飲むか食べるか以外は、行けるところが少なくなります。
そんなときによく行くのが学芸大学の流浪堂さんです。夜24時まで開いています。

先日寄らせてもらったときに、Andreas Gursky(アンドレアス・グルスキー)さんの写真集を見つけました。

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魅力あふれる写真集です。

スーパーの商品の陳列の棚と川の風景が、同じパターンに見えてきます。

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この文字と群衆の写真もです。

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ゴミの写真ですら共通したパターンが見えます。

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遺跡とビルも。

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単体の写真でも絵になりますが、似たような風景が写真集の中の写真に見えてきます。

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ちなみに写真集の表紙は、岐阜にある東京大学宇宙線研究所神岡宇宙素粒子研究施設のスーパー・カミオカンデ。

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世界最大の地下ニュートリノ観測装置です。スーパーカミオンデの前のカミオンデで世界で初めてニュートリノを観測しました。
よく写真を見ると、下の方に小舟に乗っている人が見えます。
見にいきたいと思いましたが、検出器がある場所は公開されていないみたいです。


by momokororos | 2017-08-27 22:17 | | Comments(0)

夜を楽しむ本

夜の雰囲気が好きです。
夕暮れときに深い青い空に映えるお店や家々の灯り、夜のとばりがおりたあとのお店の灯りやにぎわう音にいい匂いに心惹かれます。

昨晩から、夜の雰囲気を楽しめる本や絵本を、部屋の中にある本から抜きだしてきて机の上に並べています。

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夜を彷彿させるタイトルの本をまだ雑然と並べているだけですが、内容まで踏みこむともっと厚みがでてきそうです。

どうなれば終わりということはないのですが、まだ見ていない本はたくさんなので、しばらく続けてみようと思っています。

by momokororos | 2017-08-22 22:27 | | Comments(2)

お部屋の机〜2017年8月20日

久しぶりにお部屋の机です。

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最近読んでいた久坂葉子さんと岡本かの子さんの本を並べています。その上には、きのうの日記の廣津里香さんの本に、尾形亀之助さん、薄田泣菫さんの本が並んでいます。

昨日は、夕方から夜にかけて嵐のような天気でしたが、ストームグラスの結晶も成長していました。

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ストームグラスの魅力は尽きないです。


「魅惑のストームグラスとジュール・ヴェルヌさんの『海底二万里』」〜2017年 6月 4日の日記
http://momokoros.exblog.jp/25823734/

「素敵なストームグラス~京都西陣」〜2016年 1月 4日の日記
http://momokoros.exblog.jp/24022659/

by momokororos | 2017-08-20 21:48 | お部屋 | Comments(0)

官能的な文章〜森鴎外さんの『青年』

森鴎外記念館で開催されている『森鴎外の「庭」に咲く草花』の展示を少し前に見にいきました。

この展示で紹介されていた鴎外さんの『青年』のお花のくだりの文章が魅力的で、『青年』を手にいれて読みました。

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谷根千(谷中、根津、千駄木)界隈を舞台にしており、私も何度となく歩いているので興味深いです。

こんな文章が目にとまります。

この時十七、八の、不断着で買物にでも行くというような、廂髮の一寸愛嬌のある娘が、袖を障るように二人の傍を通って、純一の顔を、気に入った心持を隠さずに現したような見方で見て行った。瀬戸はその娘の肉附の好い体をじっと見て、慌てたように純一の顔に視線を移した。
[森鴎外、『青年』より]

このお互いの興味があるかのような表現が魅力です。「じっと見て」のような表現はあとの文章にもいくつか出てきます。

森鴎外記念館を訪れたときに、展示されていた鴎外さんの文章に、『青年』の中のダリアのくだりがありました。前の日記では、展示されていた文章よりも長く紹介したのですが、さらに長く引用します。

主人公の純一が、谷中の初音町で貸家の婆さんと話しをしているくだりです。

その傍に二度咲のダアリアの赤に黄の雑(まじ)った花が十ばかり、高く首を擡げて咲いている。その花の上に青み掛かった日の光が一ぱいに差しているのを、順一が見るともなしに見ていると、萩の茂みを離れて、ダアリアの花の間へ、幅の広いクリイム色のリボンを掛けた束髪の娘の頭がひょいと出た。大きな目で純一をじいっと見ているので、純一もじいっと見ている。
[森鴎外、『青年』より]

先の文章もそうなのですが、男と女がじっとお互いを見るくだりがでてきて、結構官能的に感じてしまいます。

ちなみに初音小路というアーケードの商店街が、谷中の朝倉彫塑館の通り沿いに残っています。

さらに劇場でのくだりです。

純一の席の近処は、女の子客ばかりであった。 左に二人並んでいるのは、まだどこかの学校にでも通っていそうは廂髮の令嬢で、一人は縹色の袴、一人は菫色の袴を穿いている。右の方にはコオトを着たままで、その上に毛の厚いskunks(スカンクス)の襟巻をした奥さんがいる。
純一が座に着くと、何やら首を聚めて話していた令嬢も、右手の奥さんも、一時に顔を振り向けて、純一の方を向いた。(中略) スカンクスの奥さんは凄いような 美人で、鼻は高過ぎる程高く、切目の長い黒目勝の目に、有り余る媚がある。(中略)
この次の幕間であった。少し休憩の時間が長いということが、番附にことわってあったので、見物が大抵一旦席を立った。純一は丁度自分が立とうとすると、それよりも心持早く右手の奥さんが立ったので、前後から人に押されて、奥さんの体に触れては離れ、離れては触れながら、外の廊下の方へ歩いて行く。微なparfum(パルフュウム)の匂がおりおり純一の鼻を襲うのである。
奥さんは振り向いて、目で笑った。
[森鴎外、『青年』より]

鴎外さんの官能的ともいえる文章。鴎外さんはこんな文章を書く人だったのですね。

むかし読んだ『山椒大夫』や『高瀬舟』とはほど遠い感じがします。
『青年』みたいな作品が教科書に載っていたら、文学がもっと身近になったのではと思いまいました。

「森鴎外記念館〜千駄木あたり散歩」〜


by momokororos | 2017-08-18 05:07 | | Comments(0)