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変わらない魅力の筆致〜田島征三さんの原画と絵本

このあいだ、東京神保町のブックハウスカフェさんの2階で、田島征三さんの展示が開催されていると教えてもらい見てみました。
2階のギャラリーは初めてでした。

すでに展示は終了しているのですが、田島征三さん『かぜがふくふく』発刊記念原画展。

『かぜがふくふく』の絵本の発売を記念しての展示でしたが、『かぜがふくふく』と『あめがふるふる』の絵本の原画が両方展示されていて、あめの絵本の方が気に入りました。

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田島征三さんは、『やぎのしずか』の頃からダイナミックな描きかたは変わっていないです。

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おたまじゃくしが押し寄せています。すごいです。圧倒的です。


前に手にいれた『ぼくおたまじゃくし』を思い出します。

『ぼく、おたまじゃくし?』〜田島征三さんの素敵な絵本
2019年1月19日の日記

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田島征三さんはスケールが大きいです。


田島征三さんの展示の帰りがけ、受付の人から新潟の十日町に、田島征三さんの美術館があることを教えてもらいました。
十日町は、北陸新幹線ができる前に金沢に行くときに、越後湯沢からほくほく線を走る特急はくたかで通った見覚えがある地名です。
廃校になった小学校を美術館にしたもので、いつか行ってみたいなと思いました。




# by momokororos | 2019-12-10 22:36 | 絵本 | Trackback | Comments(0)

寂しいということ〜メイ・サートンさんの『74歳の日記』

先日、近くの本屋さんで、メイ・サートンさんの新刊の『74歳の日記』を見つけました。

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メイ・サートンさんの魅力はなかなか言葉では表わせないのですが、喜怒哀楽に満ちた表現と、歯に衣着せぬ言い方にもかかわらず、自分と対話し、相手と対話し、自然と対話しながら、その中でひとり生きることを省察していく姿には魅力を感じます。



サートンさんの日記の文章から。

4月13日 日曜日

やっと本格的な春らしい日。明るく輝く太陽、風はなく、遠くのほうからうみのささやき……というより、静かなとどろきが聞こえてくる。最初にここに引っ越してきたとき、何度も電車が通る音がしたと思ったのを思い出す。でもそれは海の音だった ー 通りすぎるのではなく、ずっとそこにある海の。
体が不自由になってよかったことがひとつだけある。何人かの友人が闘っている病気について、自分が健康だったときよりずっと気にかけ、共感できるようになった。日々くり返される小さな喜びや失望を分かち合うことで、互いにうちとけた気持ちになれる。元気いっぱいで健康そのものの人というのは、まったく役に立たない!
[メイ・サートン、『74歳の日記』より]



からだを壊したからこそわかるサートンさんの声が聞こえてきます。



いつものようにあちこちから花が届いたけれど、その花を活けるのは楽しみというよりは苦行だった。そんなこと、今まであっただろうか。こんなにたくさんの人が誕生日を祝って、私を喜ばそうとしてくれているのに、なんて狭量な人間なんだろう。でも「私」はここにはいない ー 皆からの花を受け取ったのは愚かで病んだ動物にすぎない。
[メイ・サートン、『74歳の日記』より]


狭量な人間に愚かで病んだ人間。余裕がないとき、体調がすぐれないときには、他人の優しさも他人への思いやりに欠けているかもしれません。それわ否定していないサートンさん。


そんなサートンさんを元気づける手紙の内容が載っています。


私のもっとも差し迫った課題は、何もしないこと。そしてそこに完全な満足を見出すことです。私の猫たちが伸びをし、体を覆う毛をなめ、満ち足りた顔で夢を見るように。そして自分が必要とするごくわずかな美しい物だけを置いて、横になります。シェイクスピアのソネット。ジョン・キーツの頒歌。
[メイ・サートン、『74歳の日記』より]


満足を何に期待しているのだろうか、と考えさせる一文です。

日記の中には、自然に耳を傾ける気持ちやお花を育てる話しも綴られています。病気でカラダやココロがまいっているときにも時折語られています。


外では目を見張るような変化が起きている。それをここに書くのを忘れていた。野原はちょっと変わったピンクがかった色に変わり、背の高い草が風にそよいでいる。そして野原を貫く細い小道は明るいエメラルドグリーン。その小道を通って海まで歩いていったのはもう半年以上も前のこと。でも海の音には今までにないほど耳を傾けている。海、それはけっして静止することのない偉大な存在。
[メイ・サートン、『74歳の日記』より]


自分で感じることを見つめるサートンさん。
回復してきたサートンさんはこう書いています。


元気を回復した今、春から夏になってもずっと、ついこの前まで感じていた強烈な寂しさはもうない。なぜ孤独だったかといえば、たくさんの友人たちがやさしくしてくれて、心配してくれていたにもかかわらず、私という存在の真ん中に開いた穴を埋められる人は誰もいないから ー その穴を埋められるのは自分だけ、自分が健康になるということだけなのだ。だから寂しかったのは、本質的には自分自身を失って寂しかったということ。毎日の健康なリズムを取り戻し、仕事もできるようになった今、全然寂しいとは思わない。
[メイ・サートン、『74歳の日記』より]


サートンさんの感じる寂しさとわたしが感じる寂しさは根本的に違っていて、サートンさんは強いなと思いました。
サートンさんの本を何冊か読んでいるにもかかわらず、まだまだ自分のものになっていないと感じていること否めませんが、サートンさんに惹かれるものをいつも感じます。


先日、東京神保町の東京堂さんを訪れたら、3階のフロアでジェンダーの本の特設コーナーがあったのですが、その中に、メイ・サートンさんの『独り居の日記』が選ばれていました。ジャンルに分けることのよしあしはともかくも、サートンさんはそんなジャンルにもあたるのかと思いました。

この『74歳の日記』に続いて『回復まで』も新刊として出版されていました。



『独り居の日記』〜メイ・サートンさんの喜びと葛藤
2016年11月18日の日記

ひとりだけの素敵な時間〜3冊の本より
2016年11月1日の日記








# by momokororos | 2019-12-09 22:00 | | Trackback | Comments(0)

何にでもなれるわたし〜バーバラ・クーニーさんの『わたしは生きてるさくらんぼ』

バーバラ・クーニーさん。
むかしは大好きでいろんな絵本を買ったり図書館で読んだりしていました。
いつしか興味は薄れて、クーニーさんのお部屋の本棚の隅の方にひっそりとたたずんでいる状態になっていました。

しばらく前からクーニーさんが好きという人と話しをしていて、『ちいちゃな女の子のうた ”わたしは生きてるさくらんぼ”』の絵本いいよね、と話しをしていて、いま一度その絵本を見ようと思ってお部屋を探してみましたが見つかりませんでした。図書館で読んでいただけだったようです。

そのことを話したら、絶版だったけど先頃復刊したということで、その絵本をプレゼントしてもらいました。

デルモア・シュワルツさんの文、バーバラ・クーニーさんの絵の『ちいちゃな女の子のうた ”わたしは生きてるさくらんぼ”』。

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色合いも文章も素敵な絵本です。


わたしは なりたいとおもったら
いつでも あたらしい なにかに なれるのよ。

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わたしは あかよ。

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わたしは 青なの。

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わたしは いつも わたしでしょう。

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わたしはわたしだけど、まいあさあたらしいものになるのよ、と謳います。


メアリー・ブレアさんの『わたしはとべる』を思いおこしました。



持っているバーバラ・クーニーさんの絵本です。

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少し前の本棚の整理のときにすぐに手にとれるところに並べました。
一番有名な『ルピナスさん』も持っていませんが、持っている絵本をまた読みかえしたいと思います。



バーバラ・クーニーさんの絵本〜クリスマスの絵本(其の五)
2013年12月15日の日記



# by momokororos | 2019-12-07 22:30 | 絵本 | Trackback(39) | Comments(0)

素敵な挿絵の『プラテーロとわたし』〜山本容子さんの銅版画

先日、東京神保町のブックハウスカフェさんに寄ったときに、知っていますか?と聞かれて教えてもらった本が、山本容子さんの銅版画の絵の、ヒメネスさんの『プラテーロとわたし』。

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大好きな『プラテーロとわたし』に、大好きな山本容子さん。

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美しい絵です。

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もともと優しいいつくしみに満ちた内容なのですが、さらにやさしい気持ちになります。また読んでみたいなって思いました。



プラテーロとわたし』ふたたび
2015年2月28日の日記

# by momokororos | 2019-12-06 22:23 | | Trackback(3) | Comments(0)

神戸への想い〜雑貨にカフェに美味しいもの

大好きな神戸。
久しぶりに神戸にお泊まりでした。

10年以上も前のことですが、神戸でこぢんまりしたカフェがないかなとネットに問いかけたところ、栄町のberetさんを教えてくれた女性がいて、それ以来神戸が好きで憧れつづけています。
磯上エリアに憧れてみたり、トアウエストに憧れてみたり、北の坂ホテル界隈に憧れてみたり、ずっと淡い憧れを抱いています。そんな神戸に憧れていながら、かなり長いあいだ夜の神戸の美味しいものを食べにいっていません。

先日、神戸を訪れていたときには生田筋(西門筋?)のホテルに泊まっていました。
あくる日センタープラザでお昼を食べてから、栄町に行くつもりでしたが、歩きはじめてみると、13冊の本と、仕事が終わったあとに出てきたのでパソコンも持っていて、重すぎて栄町まで歩ける気がしません。

東急ハンズのところに神戸市営地下鉄の出入口があったことを思いだし、そこから地下鉄で、みなと元町まで行こうと思いました。
駅の券売機の案内板を見て、みなと元町には直接に行けずに新長田経由になることに気づきました。海岸線は、三宮・花時計前駅が始発ということはわかっていながら、あまりに重い荷物が判断をにぶらせました。

東急ハンズ付近から三宮・花時計前駅までは距離があって歩く気力もないので、かなり遠回りになるのですが、新長田経由でみなと元町へ。途中和田岬駅がありました。いつかは行ってみたいと思っているところです。

みなと元町駅からほど近い北欧雑貨のlottaさんへ。

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金沢の九谷焼の樋山真弓さんのうつわが好きなのですが、その前日、金沢で樋山さんのうつわを見ていたのですがいいものがありませんでした。lottaさんでは、可愛い樋山さんのうつわを手にいれました。再来年、lottaさんで樋山真弓さんの展示会を行うということを聞きましたが、あまりに先なので現実味がありません。


lottaさんをあとにして中山手通まで歩き、カフェの toiroさんへ。最近とても混んでいて、先日も満席でしたが、タイミングよく席が空きました。

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甘いスイーツでひとときを楽しみました。



その日のお昼は、センタープラザのまきのさんで天ぷらをいただいていました。

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私は天ぷらが一番好きな食べものなのですが、まきのさんは安くて美味しいのでよくいただいているお店です。お店と通路に壁がないオープンな感じのお店でよく長蛇の列になっています。女性1人のお客さんも多く、お店の人も感じがよくて気持ちよく食べられます。
1つだけ気になるところがあって、食べるスピードとは関係なくどんどん天ぷらが出てきてしまい、食べられずにたまってしまうことです。でも揚げたてを一品一品持ってきてくれるし、かなり満足度は高いです。


結局、今回もいつものお店巡りに終始して、新しいお店や、むかし寄ったことのあるお店には行けていませんが、いい神戸巡りでした。


# by momokororos | 2019-12-05 22:32 | カフェ | Trackback | Comments(0)

エリック・カールさんのじゃばら絵本〜数の絵本

神戸では、鯉川筋のファビュラスオールドブックさんにも寄っていて素敵な絵本を見ていました。

9月にファビュラスさんを訪れたときに見せてもらっていた絵本なのですが、今回も見せてもらい手にいれました。

エリック・カールさんの『the very long train 』。

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機関車から、次に1両目が続きます。

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ページを繰ると、貨車に載っている動物がだんだん増えていきます。

実は、この絵本はジャバラ絵本になっています。

ファビュラスさんに寄った日の翌日に、神戸栄町の北欧雑貨のlottaさんでこの絵本を見ていて、ジャバラをのばして写真を撮らせていただきました。


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貨車の絵のページの裏側に、動物の種類と数が書かれています。

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いま手にはいる新刊絵本で、この絵本と似た絵本が出ています。

エリック・カールさん『1,2,3 どうぶつえん』。

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この『1,2,3 どうぶつえん』は、めくるタイプのボードブックで、『the very long train 』をベースにしていると思うのですが、絵はすべて書き換えられています。

エリック・カールさんは、『はらぺこあおむし』の絵本も書き換えていて、比べてみるとわかる楽しみがあります。

エリック・カールさんの絵本〜『はらぺこあおむし』の新旧絵本
2016年9月10日の日記



しばらく前に、ファビュラスオールドブックさんが持っていた、エリック・カールさんのヘビのじゃばら絵本を手にいれています。

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こちらの写真は、ファビュラスさんのこの絵本を委託販売されていた、東京高円寺のるすばんばんするかいしゃさんで撮らせてもらいました。
この絵本がベースになったと思われる絵本として、めくるタイプの絵本の『ね、ぼくのともだちになって!』が新刊で出版されています。
じゃばら絵本はとても楽しく、じゃばら絵本の形で販売されていないのは残念です。



エリック・カールさんのじゃばら絵本〜長いしっぽの絵本
2016年9月10日の日記




# by momokororos | 2019-12-02 21:50 | 絵本 | Trackback | Comments(0)

魅惑の神戸本屋巡り〜元町と鯉川筋

ここしばらく最近神戸に寄ると、1日ではまわりきれないことが多いことが多いです。
先日は姫路から神戸に出ていたのですが、いったん大阪に行きふたたび神戸に戻り、次の日も神戸でした。

神戸では、元町通4丁目のハニカムブックスさんから始めています。
今度開催される、年末12/25から25まで大阪の阪神百貨店に出店されるとのことで、何をだすのか気になります。古書組合に本を置いてあるとのことで見れなくて残念です。ほど近い元町商店街の神戸古書倶楽部にもハニカムさんのコーナーがあるとのことを聞きました。

高山なおみさんの『帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。』を手にいれました。

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現実から思い起こされる気持ちや幻想。誰もがかかえているさみしさややりきれない気持ちを高山なおみさんが素直に語っている感じのエッセイです。高山さんの本は何冊か読んでいるけど、また違う魅力を感じられる本です。


少し元町駅の方に戻り、南京町西門にほど近い1003さんへ。
前に、さんの『塩を食う女たち』をすすめてもらい、その本がよかったという話しをしていたら、大阪に行かなくてはならない時間になり、すすめていただい本を手にいれました。


伊藤春奈さんの『「姐御」の文化史』。

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こちらは、近松門左衛門の『曽根崎心中』や『心中天網島』なども載っついて、女性の心意気を感じられる本です。この本に登場する女性は知らない人が多いので読むのが楽しみです。


青山ゆみこさんの『ほんのちょっと当事者』。

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いったん大阪にでたのですが、大阪から戻ってきて、鯉川筋のファビュラスオールドブックさんに寄ってから1003さんに戻ってきました。神戸でよく行くお店はだいたい19時でおしまいなので、20時まで開いている1003さんは貴重なお店です。

店内でビールをいただきながらお話し。1003さんは店内でビールが飲めるのです。わたしの好きなハートランドビールが置いてあります。


1003さんの店長さんが推薦の文章を書いている、多田尋子さんの『体温』。

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そして、こんなフェミニズムの雑誌?を見つけました。
『エトセトラ』。特集が、「We LOVE 田嶋陽子!」です。

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柚木麻子さんは『本屋さんのダイアナ』の本を読んでいて、山内マリコさんはもともと好きだったのですが、『あたしたちよくやってる』を読んでからジェンダー関連の本をよく読むようになりました。

楽に呼吸ができる場所とは〜柚木麻子さんの『本屋さんのダイアナ』
2019年9月10日の日記

うなずかされる気持ち〜山内マリコさんの『あたしたちよくやってる』
2019年3月24日の日記
https://momokoros.exblog.jp/28111898/


田嶋陽子さんのことはよく知らないのですが、田嶋陽子さんの8冊の本の8人による書評が載っていました。その中からまず1冊読んでみたい通り思います。



今回、出かけるときにもともと持ち歩いていた本は4冊。金沢で1冊、姫路で1冊、神戸で1冊+4冊+2冊を手にいれていて、13冊。13冊はかなり重かったです。

ちなみに、姫路のおひさまゆうびん舎さんでは、永井宏さんの『サンライト』を手にいれています。

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永井宏さんは知らなかったのですが、本の中にはわたし知っているところもでてきました。始めはマンションの一室で高山なおみさんの料理教室を開催していた、丹治史彦さんのアノニマ・スタジオさん、大阪堀江の雑貨のシャムアさん、キャトルセゾンさんや、アフタヌーン・ティーさん、大阪星ヶ丘の SAWING GALLERYさんなど。こんな知ってるところからつながりをはかれるのが楽しいです。

読んでみるまではわからなかったのですが、姫路のおひさまゆうびん舎さんで手にいれた本に高山なおみさんのことが載っていて、同じ日に神戸元町のハニカムブックスさんで、高山なおみさんの本を手にいれたことがとてもうれしいです。






# by momokororos | 2019-12-01 15:31 | | Trackback | Comments(0)