人気ブログランキング |

2019年 10月 02日 ( 1 )

やさしい思い〜大宮エリーさんの『思いを伝えるということ』

本屋さんで本を選ぶときにパラパラとめくっただけなのですが、これは好きな本だってわかることが多いです。先日訪れた神戸元町のハニカムブックスさんでは出会った本にそんな1冊があります。


今回の関西の旅で手にいれた本を、神戸尼崎の雑貨のdent-de-lionさんから送ってもらったのですが、「送る前に好きな本を読んでいいですよ」と伝えていたのですが、1つの本が素敵でした、ということを聞いていて、届いてから読むのを楽しみにしていました。


その本は、
大宮エリーさんの『思いを伝えるということ』。



e0152493_19425752.jpg


感じる「思い」をいくつかの散文詩にしたためており、その詩に対応する形でそれぞれの物語を載せています。

言葉はココロを見る物差しとなることもあるけど、ときに言葉がわからなくなるなることもあります。ココロにモノとしての形があれば、ココロが見えるし、自分も相手も気にかかる存在になる。ドアだったり、メッセージボトルだったり、電話ボックスだったり。
人が言葉を放つきっかけとなるモノとココロのかけはしを描いています。

生き方のハウツーではなく、言葉をつむぎだすことで起きる可能性について、素直に希望をこめて書かれています。


こんな詩がのっています。



また明日ね


夕日を見ると
悔い改める自分がいる
美しい大きな太陽が

海に沈んでゆく
大地に沈んでゆく
今日も一日ありがとう

せこせこと私たちは
かっこわるく生きているのに
太陽さん
どうしてあなたはそんなにも
変わらずに美しく
今日も力強い光を放ち
沈んでいくのですか

私たちがぎゃーぎゃーと
色々考えたり
悩んだりしていたときに
あなたはそれでも変わらず
強い光を放って
世界を照らしていたんですね
思えば今日一日ずっと

ちゃんとそれに
感謝できていなかった午後
お昼休みに渡った歩道橋
あなたのあたたかさと
おおらかさを
感じていたはずなのに
きちんとあなたの存在に
感謝せずに
一日を過ごしてしまいました
ごめんなさい

これを当たり前だと思ったら
人間はダメになっちゃう
毎日あなたが顔を出し
そしていつものように
帰ってゆく
これをいつまでも
あなたが変わらずに
繰り返してくれていることに
感謝します

いつか人間の大きな過ちで
二度とあなたが
顔を出さす世界が暗黒のままに
なったとしても
それは私たちの責任
あなたの責任ではない

そうならないように
今日もあなたに感謝をします
これが当たり前だと思ったら
ダメになっちゃう
取り返しがつかなくなっちゃう

一日の終わりに
真っ赤なあなたが
静かに静かに
沈んでゆくのを見ると
そのあまりの美しさに感動して
胸がいっぱいになるのです

また明日 会えますか

[大宮エリー、『思いを伝えるということ』より]


当たり前なことは、簡単にできるように見えながら、実は裏で支えられていることが大きく、意識的にならないとそれを忘れがちです。当たり前なことがなくなってから気づくとこが多いかもしれません。いまの地球環境がまさにその問題に直面しているといえます。


まどみちおさんの「どうしていつも」の詩を思いだしました。


どうしていつも


太陽



そして


虹(にじ)
やまびこ

ああ 一ばん ふるいものばかりが
どうして いつも こんなに
一ばん あたらしいのだろう

[まどみちお、『とおいところ』より]


その昔、京都二条の雨林舎さんの壁に、この「どうしていつも」の詩が書かれていました。ずっとずっと訪れていないけど、まだお店はあるのかなと思います。





by momokororos | 2019-10-02 22:36 | | Trackback | Comments(2)