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2019年 09月 10日 ( 1 )

楽に呼吸できる場所とは〜柚木麻子さんの『本屋さんのダイアナ』

柚木麻子さんの『本屋さんのダイアナ』。

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本屋さんでは見かけたことのある本でしたが、初めて読みます。

主人公のダイアナは、変な名前と髪の毛のせいでからかわれいじめられます。そんなときに、同じく本が好きで、自分に持っていない育ちがよくたおやかでお姫様みたいな彩子に出会い惹かれます。その2人のそれからを基軸に物語が描かれます。

本が好きで本屋さんになりたいだけのダイアナの話しではなく、いじめや自分で思いこんでいる抑圧された世界からの解放をめざす女の子たちの物語でもあるように感じます。



「どうしてあんたたちは、山の上女学園でうまくやれない人間は、負け組だって決まるんだよ。あんな小さな世界の優劣で、なんでその人の人生が決まるんだよ。ものすごい狭い世界だよ。彩子ちゃん頭いいんだから、わかるでしょ?」
[柚木麻子、『本屋さんのダイアナ』より]

自分で自分に呪いをかける生き方はしんどいっつうの
[柚木麻子、『本屋さんのダイアナ』より]


少しわかりにくいですが、今宵「Heaven?」というドラマを見ていたら、こんな言葉がでてきました。

「自分の居場所を自分で居心地悪くしちゃ駄目」

この言葉に通ずるものがあると思いました。


主人公ダイアナの親友の女の子が感じる男性優位な考えへの疑問も描かれています。

男の人の視線にさらされる戦場のような環境がこの世界のスタンダードなのだろうか。
[柚木麻子、『本屋さんのダイアナ』より]


姫野カオルコさんの『彼女は頭が悪いから』をいま読んでいて、最近社会的に問題になったテーマについて書かれているのですが、『本屋さんのダイアナ』にも同じテーマが描かれていました。


この前の日記に書いたことですが、現実の面白さには目をみはるものがあり、現実が面白いときには本が読めないことも多々ありますが、共感できるくだりが書かれていました。

「それにね、本のヒロインに自分を重ねるより、自分がヒロインになりたくなったんだ。だってこの世界にはすげえ面白いことがいっぱいあんだもん」
[柚木麻子、『本屋さんのダイアナ』より]


楽に呼吸できる場所が、実は世界にはたくさんあるかもしれないと。
[柚木麻子、『本屋さんのダイアナ』より]


居心地のよくない社会や世界。それは社会や世界のせいなのかもしれないけど、居心地のよいところを探すことは自分でもできるかもしれないと、考えさせる言葉です。現実や本の世界や違う文化や価値観の世界の中に、居心地のよい世界があるかもしれないと思いました。



by momokororos | 2019-09-10 23:23 | | Trackback(69) | Comments(0)