會津八一さんの奈良の法隆寺の救世観音さまのことを詠った歌を篠田桃紅さんが引用しているのを読んでから、ふたたび仏像への興味が再燃しています。 ここしばらく持っている奈良や滋賀のお寺や仏像のことを書いてある本をみています。 白洲正子さんの『十一面観音巡礼』。 この本の中に、奈良の法華寺について書いたくだりがあります。 近江の石道寺の十一面さんも、右足の親指をちょっとそらせており、それが大変媚かしく見えると、私は前に書いたことがあるが、気がついてみると、この観音も爪先をそらせている。それだけのこと で、全体の調子に動きを与え、遍歴することによって衆生を救うという、観音の本願が表現されている。 [白洲正子、『十一面観音巡礼』より] 「この観音も」というのが法華寺の観音さまです。 『白洲正子 十一面観音の旅』に、法華寺と石道寺(しゃくどうじ)の十一面観音さまの写真が載っているので引用します。 奈良の法華寺の十一面観音さま。 [『白洲正子 十一面観音の旅』より] よく見ると、右足の親指が上がっています。 滋賀の湖北の石道寺の十一面観音さま。 [『白洲正子 十一面観音の旅』より] こちらも右足の親指が上がっています。 この足の親指があがっているのは、「遊び足」と言われ、すべてのものを救おうと一歩踏み出す一瞬を表しているそうです。 會津八一さんの法華寺の十一面観音さまの歌です。 ふぢはら の おほき きさき を うつしみ に あひみる ごとく あかき くちびる 藤原時代のあの立派な皇后を実際に目のあたりに相見ますような生き生きとした美しい赤い唇の色であることよ うつしみ、は「現実に」の意味です。 「おほききさき」は、藤原不比等の娘の光明皇后のことです。 おほき、というのは、光明皇后が仏に誓って1000人に蒸し風呂を施したことからです。 この蒸し風呂を詠った會津八一さんの歌もあります。 からふろ の ゆげ たち まよふ ゆか の うへ に うみ にあきたる あかき くちびる 法華寺にも石道寺にも行ったことがないのですが、奈良の法華寺は秋篠寺と合わせて、近江湖北の石道寺は向源寺と合わせて行きたいなと想いを馳せます。 滋賀の湖北は、金沢と京都のあいだにあります。 わたしは金沢から京都方面に行くときの途中で湖北の近江塩津駅を通っているのですが、特急サンダーバードに乗ってしまっているので近江塩津駅は停車せずに素通りしてしまっていて、長浜以外は湖北に降りたったことはほとんどないです。近江塩津は、播州赤穂や姫路からの新快速電車の終着駅でもあってよく近江塩津行きの新快速を見かけます。 金沢から、サンダーバードか特急しらさぎで敦賀まで出て、北陸本線の新快速の播州赤穂行きか姫路行きに乗り換えかなと思って調べてみたら、金沢から特急しらさぎで長浜まで行って各駅停車の電車で戻る行き方もあるみたいです。 長浜には以前行ったことがあるので、敦賀でいったん降りて乗り換えて行くのがいいかなと思ってます。若狭の小浜あたりもいいお寺があるので寄りたいです。 お寺や仏像関連の本は部屋の奥にしまってあったのですが、引っ張りだしてきて再度いろいろ読んでいます。
by momokororos
| 2020-06-29 22:46
| お寺
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