金沢の石川四高記念館。 石川ゆかりの作家さんの本や書簡などが展示されていて、かなり興味深かったです。 加賀市生まれの深田久弥さんの『火にも水にも』の本が展示されていました。深田久弥さんは最近知った作家さん。『日本百名山』など山の本を書いています。 先日、東京中目黒のCOWBOOKSさんで、北畠八穂さんの『透きとおった人々』を見ていいなと思いました。 COWBOOKSさんのお店のスタッフさんから、北畠八穂さんの旦那さんは山の本を書く深田久弥さんで、初期の深田久弥さんの作品は北畠八穂さんがゴーストライターとして書いた、という話しもあるとのことを聞きました。 『透きとおった人々』は、北畠八穂さんが親交のあった、室生犀星さんや堀辰雄さん、立原道造さん、林芙美子さん、川端康成さんなどの人々について書かれています。 『火にも水にも』は本の展示のみだったので、展示が終わったあとに学芸員に聞いてみました。 初期の作品なので、深田久弥さん自身が書いた本で、その時代の金沢の女の子の様態を描いた楽しい作品とのことでした。石川の大聖寺に深田久弥さんの記念館「深田久弥山の文学館」があるとのことを教えてもらいました。 大聖寺には、九谷焼美術館もあって行ってみたいと思いました。 「恋するいしかわ」の展示には、室生犀星さんの『三人の女』や、井上靖さんの金沢や能登を舞台にした小説の『波の音』や『夜明けの海』、永瀬清子さんの『あけがたにくる人よ』、本谷有希子さんの『生きているだけで、愛』などがあり、読んでみたいなと思います。 中西悟堂さんの『かわたれの花』の戀獄という詩の本も展示されていましたが、どこかの本屋さんで見かけた本です。どこだったか。中目黒のdessinさんだったような気もします。紅玉いつきさんの本も読んでみたいです。 展示をみたあとに、学芸員さんといろいろ話していたのですが、徳田秋聲さんの話しをしたときに、秋聲さんは身近な人たちのでことを書いていることが多く、身近な人たちからの反発もあったけど、それを受けとめる覚悟を持って書いていたということを聞きました。 その徳田秋聲さんのことを研究している古井由吉さん、その古井さんを敬愛しているのが又吉直樹さん、ということも教えてもらいました。古井さんの本は『槿』や『杳子・妻隠』など何冊持っているので読みかえしてみたいです。又吉さんは『火花』しか読んだことがありません。 徳田秋聲さんの金沢の町のことを描いた『町の踊り場』の短編があると教えてもらったので読んでみたいと思います。 また学芸員さんに、大好きな廣津里香さんの常設展示がなくなってしまって残念ということを話したら、常設展ではなく、毎年のタイミングで展示されているときにあたったのでは?と言われました。 廣津里香さんは、石川近代文学館での展示を見てから好きになり何冊の本を買うようになりました。少し前に廣津里香さんの私家版の日記を古本屋さんで見かけた、ということを話したら、廣津里香さんが亡くなってから出版された日記は本人の意思ではなく、近親の人たちの微妙な話題も書かれているので、文学館にもある自筆の日記の公開するページや編纂した日記については注意している、という話しを聞きました。また廣津さんの絵と詩がセットになった本もあるが、必ずしも廣津さん自身が組みあわせたものではない、という話しも聞きました。なるほど知らないと廣津さん自身が絵と詩を一緒に書いたと思ってしまいます。 ちなみに、バラの絵と、無題の詩は廣津さんがセットで考えていたそうです。 その詩です。 切り取っても
花瓶にさしても バラはひらく 私はいやだ 花瓶のなかで 花開くのは つかまえて 檻に入れても 豹は生きる 私はいやだ 金網のなかで 呼吸するのは 何度読んでもすごい詩だと思います。 バラの絵はこちら。 また、廣津里香さんの展示をすることもあるそうなので、楽しみにしていていたいと思います。 廣津里香さんに逢いたい 2017年8月19日の日記
by momokororos
| 2019-09-15 15:46
| 本
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