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つながる想い〜レティシア・コロンバニさんの『三つ編み』

レティシア・コロンバニさんの『三つ編み』。


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国籍も立場もまったく違う3人の女性たちの物語です。

インドの制度の枠外にいるダリット(不可触民)であるスミタは、子どもにはそんな思いをさせたくないという強い想いをもち、反対する夫を振りきり、その地を去ります。
イタリアのジュリアは、父親が不慮の事故にあい、父親の会社が倒産の危機にあると知り、誰にも言えずに苦しみます。
カナダの法律事務所で働くエリート弁護士のサラは子どもたちがいますが、子どもと過ごす時間を断念、みてやれないことに罪悪感を感じています。



彼女が生きる世界に、おろおろと涙にくれる母親の居場所がないことは、すぐに理解した。(中略)
同時に、夫の軽さを羨んだ。
不思議なことに、こんな感情とは無縁に見える男たちのあの驚くべき身軽さはどうだろう。憎らしいほど気楽に家を出ていく。毎朝、彼らだけが書類だけを持って家を出るのにひきかえ、彼女にはどこへ行くにも罪悪感が亀の甲羅のようについてまわる。
[レティシア・コロンバニ、『三つ編み』より]



サラは、あるとき自らの病の発症を知り隠しますが、みんな知られます。職場で見せかけの同情とのけ者にされる不可触民となります。そんな境遇をエリートだったサラの尊厳が許しません。


みんなから感嘆されたパワフルで自信に満ちた女性、サラ・コーエンではもうけっしてない。もうけっして無敵でも、スーパヒロインでもないだろう。彼女は彼女、サラ、人生に翻弄され、欠陥だらけ傷だらけになっても、生きていく。もう傷や欠陥を隠そうとはしない。まえの人生は偽りだった。この人生は真実となる。
[レティシア・コロンバニ、『三つ編み』より]


3人それぞれ、他の人には言えない、頼ることのできない葛藤をかかえて苦しみますが、反対され拒否されても、前に向かって立ちむかっていこうとする3人の女性たちが描かれています。その3人の自らの苦難を乗り越えるための行動が、本人たちが知らないところでつながっています。


生きていくことが、知らずに他の人とつながりを持ち、その人の力になる。そのつながりに想いを馳せることで勇気づけられるような気持ちになる作品だと思います。



by momokororos | 2019-06-19 22:38 | | Trackback(1) | Comments(0)
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