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憧れの世界観〜金子國義さんの『LES JEUX お遊戯』の写真集

金子國義さんの『LES JEUX お遊戯』の写真集。

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学芸大学の流浪堂さんのレジの前に飾られているのをしばらく前から目にしていて、去年の年末に1度見せてもらい、先日訪れたときにまた見せてもらい、少し高かったのですが手にいれました。
「お遊戯」というタイトルがぴったりと感じる素敵な写真集だと思いました。生きていることはお遊戯に近いものもあるかなとも感じていて、この写真はわたしの憧れている世界観を表しているのかもしれません。


金子國義さんは女性のイラストで有名ですが、女性をモデルにした写真集は初めて見ました。

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金子國義さんの硬質的でありながら耽美的なイラストのモデルになった女性たちの写真ということを聞きましたが、なるほど似ているかもしれません。


写真集の中の、金子國義さんに寄せられた文章です。


金子國義の芸術において、彼が東洋の偉大なる先人たちの生み出した古典から受け継いだもの、その微妙な影響のひとつひとつを指摘しようとしても、それは私たち西欧人にとってはいささか困難なことのように思われる。しかしながら、おそろしく多彩かつ複雑、あるとねきは激しく人を挑発し、またあるときは極めて慎み深くある彼の芸術に、まぎれもなく漂う日本的なるもの、それを感じとることはたやすい。

顔立ちの涼しさ・・・
気性の激しさ・・・
むせかえる欲情・・・
清らかな姿態・・・

[金子國義、『お遊戯』より]


相反するものが、矛盾するものが、混雑する対象や世界は、魅力に満ちて憧れます。


金子國義さんのイラストはたまに目にするだけで、じっくり見たことはないのでこんどゆっくり読んでみようかなと思います。



# by momokororos | 2020-01-27 22:22 | | Trackback | Comments(0)

いま一番食べたいもの〜獅子文六さんの『飲み食ひの話』

本屋さんで本を買うときは、パラパラとめくって感覚的にあうくだりを見つけたときで、中身をしっかりと読んでから手にいれるというより直感的なフィーリングで選んでいることが多いです。


先日、COWBOOKSさんを訪れていたときに、獅子文六さんの『飲み食ひの話』を手にとっていました。

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そのときに、こんなくだりを見つけました。


私がいま一番食べたいものを、左に列記する。
一 ヒジキと油揚の煮たの。
一 ゼンマイの煮たの。
一 キリボンの煮たの。
一 ナッパの煮たの。
われながら、貧乏くさい食物ばかりで、恐縮であるが、さういふものがウマくさういふものが食べたいのだから、仕方がない。
そんなものなら、誰にも料理ができるから、不足はなからうと考へる人もあらうが、どう致しまして、ヒジキやゼンマイやキリボシを、上手に煮て食わして貰ったことは、一度もない。
[獅子文六、『飲み食ひの話』より]


他の内容は読んでいないのですが、ここが気にいってこの本を手にいれました。COWBOOKSさんのスタッフさんに、この文章を見せずにいま一番何が食べたいかを聞いてみたところ、お粥との回答でした。獅子文六さんと通ずるものがあります。私が思い浮かんだのは、のどぐろの焼きものでした。獅子文六さんとはずいぶん開きがあるなあと感じました。


獅子文六さんは続けて、こんなことを書いています。

私も、昔から、そんな貧乏臭い料理が、好きなわけではなかった。やはり、有名割烹店の料理に随喜したのであるが、この頃は、どうもプロの料理に、魅力を感じなくなった。料理屋の食事が、二日續くと、もうイヤになる。殊に、食器や盛り方で、眼を奪うやうな料理は、反感をさへ起す。さういふ料理をノン・プロが真似たりするのを見ると、嘔吐を催す。
[獅子文六、『飲み食ひの話』より]


いささか大げさな表現ですが、よくわかる話しで、わたしも好きで続けて食べていたはずなのに、もういいやと食傷気味になってしまうこともあります。例えば、先ののどぐろの焼きは毎日は食べたいとは思いません。

そうはいうものの、獅子文六さん、かなり美味しいもの食べてます。
日本橋小舟町の高嶋屋さん、神田猿楽町の天政さん、深川高橋の伊せ喜さんなどがでてきます。
この本が出版されたのは、昭和31年なのですが、上記のお店が3店ともいまでも残っています。食べたことのあるのは、天政さんだけですが、うなぎの高嶋屋さんやどじょうの伊せ喜さんも行ってみたいお店です。



# by momokororos | 2020-01-26 22:12 | | Trackback | Comments(0)

かわいい写真集の新旧〜石亀泰郎さんの『ふたりっ子バンザイ』

石亀泰郎さんの『ふたりっ子バンザイ』の昔の版の写真集を、東京学芸大学の流浪堂さんで、見つけました。


表表紙と裏表紙です。

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いい本の作りで、表紙や裏表紙の写真もかわいいのですが、中身も余白がなく全面が写真です。本のサイズによるのですが、このサイズで余白がないのは可愛い感じになっています。

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夏葉社さんが、『ふたりっ子バンザイ』を2017年に復刊しているのですが、少し本の大きさが大きくなっていることと、表紙には工夫して写真を最大限に見せていること、旧版では松田道雄さんが書いていた「はじめに」の文章がなくなり、石亀泰郎さんの「あとがきにかえて」が新たに載っています。

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表表紙から背を経て裏表紙へ続く写真は素敵で、新版でもそういう風に再現されています。


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神戸と姫路の本屋と雑貨巡り
2017年12月26日の日記

# by momokororos | 2020-01-25 22:21 | | Trackback | Comments(2)

時間がかかるということ〜蓼内明子さんの『きつねの時間』

蓼内明子さん作、大野八生さん絵の『きつねの時間』。

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東京神保町のブックハウスカフェさんで見つけた本です。
お店の入口から入った正面の棚で、ブックハウスカフェ大賞のコーナーにあって聞いてみて、おすすめしてもらった本です。

主人公の小学生の女の子と、その女の子のお母さんやクラスの友達をめぐる、心温まる物語です。
読んでいる本の話しが合う男の子やクラスの友達にお母さんとの関係。そして女の子が作る料理のことや女の子のお父さんのことが織り交ぜられながら話しは進んでいきます。
子どもの多感な時期の、遠慮やとまどいなどのココロをうまく表現していると思います。

相手との気持ちがずれてしまいながら、他の人たちとのかかわりも助けになりながら、ずれた関係がゆっくりと戻っていくゆるやかな関係の変化が描かれており、心地よくあたたかです。

時間をかけなければうまくいかないことがある、落ちつくためには時間がかかるということをあらためて感じます。

この本のタイトルは「きつねの時間」。この本を読むと、きつねの時間がどんなことを示唆しているのかがわかるような気がします。



# by momokororos | 2020-01-18 22:37 | | Trackback | Comments(0)

美味しいごぼう天うどん〜博多うどん

久しぶりに博多うどんを食べました。

東京高田馬場にある大地のうどんさん。
福岡が本店のうどん屋さんです。

肉ごぼう天うどん。

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ごぼう天もお肉も、出汁もおいしい。
少し前に伊勢うどんを食べたせいか、博多うどんがかなりコシがあるように感じますが、大地のうどんさんのうどんはコシがあるのかな。
天かすが出汁を吸ってかなりの分量になって、食べきれないくらいだなと思うのもいつもと同じです。大地のうどんさんにはこれまで何度も訪れているのですが、ごぼう天うどんしか食べていないんです。

少し前に食べた伊勢うどんのとあるお店の味がいまいちだったせいか、かなり美味しいと思ってしまいました。ちなみに伊勢うどんも好きで美味しいお店もいろいろあります。

福岡では、大地のうどんさんには入ったことないのだけど、いつかは福岡のお店に入ってみたいです。





# by momokororos | 2020-01-17 22:49 | グルメ | Trackback | Comments(0)

現実と文学のこと〜島田潤一郎さんの『古くてあたらしい仕事』。

島田潤一郎さんの『古くてあたらしい仕事』。

昨年末に、姫路のおひさまゆうびん舎さんで手にいれた本です。

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この本に反応するところが他の人と違うかもしれませんが、わたしの気になったところです。


この世をふかく、ゆたかに生きたい。そんな望みをもつ人になりかわって、才覚に恵まれた人が鮮やかな文や鋭いことばを駆使して、ほんとうの現実を開示してみせる。それが文学のはたらきである。(略) 文学は現実的なもの、強力な「実」の世界なのだ。文学を「虚」学とみるところに、大きなあやまりがある。科学、医学、経済学、法律学など、これまで実学と思われていたものが、実学として「あやしげな」ものになっていること、人間をくるわせるものになってきたことを思えば、文学の立場は見えてくるはずだ。
[島田潤一郎、『古くてあたらしい仕事』]


わたしは、現実の世界に遊ぶことも本を読むことも、同じ体験として同列に考えているのですが、現実だと思われていることが(島田さんは「実学」と表現しています)、人間をくるわせるおかしげなものになっているからこそ、文学に意味があると言っていて、わたしには新鮮に感じました。
フィクションが虚であり、ノンフィクションが実であるという解釈ではなく、対等に語られるべきコンテンツを持っており、それによって正されることも救われることもあるかと思います。


島田さんはこうも書いています。

ぼくが本屋さんが好きで、本が好きなのは、それらが憂鬱であったぼくの心を支えてくれたからだ。それらが強い者の味方ではなく、弱者の側に立って、ぼくの心を励まし、こんな生き方や考え方るあるよ、と粘り強く教えてくれたからだ。 それは本だけではない。音楽や映画やアニメーション。喫茶店や中古レコード屋さんや映画館。
こうしたものは、人生を支えてくれる。それは既に力ある人たちの権力を補うものではなくて、そうでない人たちの毎日を支える。
[島田潤一郎、『古くてあたらしい仕事』]


人によって価値観は違うけれども、その価値観をうるおす1つの現実として本を読むということがあるということに共感します。あとに続く文章で島田さんは、本を読むことや音楽に耳を澄ませることは、「現実逃避ではない。その世界をとおして、違う角度から、もう一度現実を見つめ直すのだ」と書いています。


島田さんが大好きな人はわたしの周りに結構たくさんいます。
姫路のおひさまゆうびん舎さんは、島田さん等身大のパネルを作ってお店に置いたりしていていました。
昨日訪れていた本屋さんの和田誠さんの特設コーナーには、和田誠さんが装幀を手がけた夏葉社さんの本が3冊並べてありました。本屋さんのスタッフさんと島田さんのことを話していたのですが、実際に島田さんと話しをしたら絶対に好きになると思います、と言われました。

夏葉社さんの本は10冊くらい持っているのですが、いつか島田さんと話せる機会くるのかなと思います。わたしはかなりものぐさなので、偶然にどこかで出会えるといいなあと思っています。



# by momokororos | 2020-01-15 22:26 | | Trackback(1) | Comments(0)

くどうれいんさんの「あったか手仕事の東北」

しばらく前に、神戸元町の1003さんで、盛岡在住のくどうれいんさんの『わたしを空腹にしないほうがいい』を見つけたのですが、素敵な食の本で大好きになりました。


素敵な食のエッセイ〜くどうれいんさんの『わたしを空腹にしないほうがいい』
2019年4月18日の日記


先日、金沢へいく新幹線の車内誌の「あったか手仕事の東北」の特集に、くどうれいんさんが載っていました。
その車内誌はあげてしまいましたのですが、写真を撮ったものがあります。
本文までは見えないと思いますが、くどうれいんさんの詩が大きな文字で載っています。


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岩手、秋田、宮城と手作り体験している様子が書かれています。

くどうれいんさんは就職したとの話しを聞きましたが『わたしを空腹にしないほうがいい』に続く詩集を期待します。


久しぶりに『わたしを空腹にしないほうがいい』を出してきて読んでみたのですが、前に読んだときによかったと思ったのとは違ういいくだりを見つけました。


外で飲むお酒はなんでこんなにおいしいのだろう。この日は茄子の焼き浸しサラダ(茄子を焼き浸しにしてレタス、白葱、揚げ玉、と和えて冷やしておく)、カシューナッツのバター炒め(鷹の爪と輪切りの葱でカシューナッツを炒めるだけ)、を作ってベランダに持っていった。洗濯物の紐にお盆を乗せて皿を置き、キンキンに冷やしておいたコロナに切ったレモンを刺せば十分すぎる立ち飲み屋である。思わず瓶を空に掲げて、かんぱい、と小さく言う。ぐび、と飲めば瓶が夕陽を乱反射させて、神様。わたしはもうこんなにしあわせ。
[くどうれいん、『わたしを空腹にしないほうがいい』より]



外で飲むお酒の醍醐味わかります。家の縁側や庭や近くの公園で星空や月や雲を眺めながら飲むお酒は格別です。




# by momokororos | 2020-01-13 22:34 | | Trackback | Comments(0)