今橋映子さんの『パリ・貧困と街路の詩学』を図書館で読んでいたら、ブラッサイさんの『1930年代秘密のパリ』のことが書かれていました。

ミラーとブラッサイ、驚くほど混沌する二人の感受性が、30年代のパリの形象として最も良くとどめたのが「公衆便所」であろう。『秘密のパリ』でブラッサイは、奇妙で上品でランプのように内部が明るいこの建造物に、まるまる一章を献じている。(中略)この奇異でひそやかな小建造物が、1930年代には1300もあり、この都市のなじみ深い風景であったのに、プルーストも描くようにホモセクシュアルたちの「友好の地点」になってしまったために行政側が憂慮し、急激に姿を消していくのを、ブラッサイは惜しむ。
[今橋映子、『パリ・貧困と街路の詩学』より]

そんな写真載っていたかしら思い、『1930年代秘密のパリ』の写真集を引っ張りだしてきました。

パリの公衆便所の写真が載っていました。

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何回か見ているはずなのに、見ているようで見ていない自分自身へのふがいなさを感じます。
しかし、こんな公衆便所がパリのいたるところにあったなんて驚きです。

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このブラッサイさんの『1930年代秘密のパリ』は奥が深いかもしれません。

この本の表紙の写真も何の写真かがわかると驚いてしまいます。


「ブラッサイさんの『夜のパリ』」〜2016年 12月 1日の日記
http://momokoros.exblog.jp/24998812/

by momokororos | 2017-01-27 22:10 | | Comments(0)
先日、久しぶりに『フレンチ・カンカン』の映画を見たのですが、その中でエディット・ピアフさん本人が歌声を披露するシーンがありました。名前は知っていたものの初めて歌声を聞き、素敵な歌と歌声に魅了されました。

映画を見てからそんなにたっていないのですが、本屋さんで山口路子さんの『エディット・ピアフという生き方』の本を見つけました。

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パラパラと見ていたのですが、エディット・ピアフさんとジャン・コクトーさんの親交について書かれていたところがあったので手にいれました。


そんな頃、ジャン・コクトーと出会った。ジャン・コクトーはピアフより26歳年上で詩・小説・脚本・絵画・映画、さまざまな分野でその才能を発揮した芸術家だ。
出会った頃は俳優のジャン・マレーと暮らしていた。50歳を過ぎていたコクトーは娘のようにピアフを愛した。
二人の交流はおよそ25年、ほぼ同時に亡くなるまで続いた。
コクトーはピアフの死の報せを受けた数時間後に亡くなったのだが、このことで二人の友情は歴史にくっきりと刻まれた。
[山口路子、『エディット・ピアフという生き方』より]


『評伝 ジャン・コクトー』の本にはこう書かれています。

やがてコクトーはベットから起きた。ここでまた電話が鳴った。そこで彼は自分ででに出た。彼はピアフの死を知った。レポーターたちは、電話で感想を求めていた。だが簡単な受け答えの後、次のような言葉を聞いた。
「エディット・ピアフの死で、また息をするのが苦しくなりました。午後にでもこちらにおいでください。」
中略
正午を少し回っていた。サロンでコクトーは気分が悪くなった。庭師夫婦がデルミを起こしに行く。医師がミィイに呼ばれ、コクトーに注射をした。デルミはコクトーを寝室まで運びあげた。
オルフェ[コクトー]が息を引き取ったのはその部屋で、時間は午後一時頃だった。
[ジャン=ジャック・キム、エリザベス・スプリッジ、アンリ・C・べアール、『評伝 ジャン・コクトー』より]


26歳年下のエディット・ピアフさんの知的感性を高く評価し愛したジャン・コクトーさん、そしてコクトーさんが大好きだったピアフさん。素敵だなって思いました。

by momokororos | 2017-01-26 22:52 | | Comments(0)
お部屋の机です。

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とりたてて大きな変化はありませんが、いろいろな本への興味はつのる一方です。

読みたいお話しがあったので、グリム童話の本を奥から引っ張りだしてきました。1巻目が見当たらなかったのですが、読みたかった物語は3巻目に載っていました。
読んだグリム童話のお話しはまた今度したいと思います。

原田マハさんの『サロメ』は、面白くて2時間くらいで読んでしまいました。
オスカー・ワイルドさんの『サロメ』や、サロメの挿絵のオーブリー・ビアズリーさんに関連する本を読んでから感想を書いてみたいです。

by momokororos | 2017-01-24 22:35 | お部屋 | Comments(0)
神保町のキントト文庫さん。

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駿河台下からすずらん通りに入った左手にある本屋さんです。喫茶店の看板がそのままなのもまたいいです。

わたしが行く日がたまたまそうなのかもしれませんが、なかなか開いているときがなく、先日開いていたので、すかさず入りました。

本棚のあいだが狭くてすれ違えないほどで、怪しげな本もたくさんあるのですが、ガラスの向こう側には稀少本が並んでいたりと、いろいろ魅力を感じる本屋さんです。

並んでいる本はほとんど知らないのですが、かつて発禁本であった本も並んでいるのを見かけました。持っている本なのですが、私が手にいれた価格の4倍くらい。さすが神保町価格。神保町は安いと思いがちですがかなり高いです。

それでも見たことがない稀少本を見ることができる神保町はすごいです。
キントトさんでは、まだ本を買ったことがないのですが、いつかいい本が見つかるって予感がします。

by momokororos | 2017-01-23 22:18 | | Comments(0)
『The Little Mermaid』。

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草間彌生さんイラストの人魚姫です。
中目黒のdessinさんで手に入れました。

表紙の手書きの?イラストが可愛いです。

中身は草間彌生ワールドが広がっています。

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草間彌生さんは先日、文化勲章を受賞されていましたね。御年87歳です。

草間彌生さんは気になる存在で、4年前に訪れた松本市立美術館で草間彌生さんの展示を見ています。美術館の建物の前には草間彌生さんの作品があります。

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3年前に訪れた十和田市現代美術館の野外には草間彌生さんの作品がありました。

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松本はこのとき以来訪れていなくて、青森はおととし訪れたきりです。また行きたいなって思います。

国立新美術館では、2017年2月22日(水)から「草間彌生 わが永遠の魂」が開催されます。5月22日(月)までと長いので見に行けそうです。

by momokororos | 2017-01-22 21:47 | | Comments(0)
週末になると、関西に行きたいなっていつも考えているのですが、行くとずっといたくなってしまいます。
昨日から今日にかけて、関西は雪模様で、京都ではかなり雪が降っていたみたいです。
年明け2日とか3日から開けている関西の本屋さんが多くて、うらやましく思っていました。

今週末は、東京で本屋巡りしていました。

疲れはてたときや調子が悪いときなど、もうどこにも行きたくないって思うときも、本屋さんにいくと体調がよくなったり、本屋さんにいるときは体調悪いのを忘れていたりすることが多いです。

新刊本屋さんでは、紙とインクの匂いに安らぎを感じているみたいです。古本屋さんでは、本の話しをしながら私の好きそうな本をすすめてくれる人がいるからだと思っています。

おとといやきのうもそんな1日でした。

おととい金曜は、風邪ひいて早引けしようと思うくらい調子悪かったのですが、仕事をひけてから中目黒から学芸大学の本屋さんへ。調子悪さを忘れていました。
きのう土曜はかなり寒くて、都内でも少し雪がちらつきました。
渋谷から森下に出たあとに神保町に戻り、そして地元の新刊本屋さんへ。
たくさんの素敵な本を手にいれました。

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東京でいつも素敵な本をすすめてくれる人に今年はまだ会えていないので、また会って本の話しができればいいなって思っています。

by momokororos | 2017-01-15 19:58 | | Comments(0)
白洲正子さんの『ほんもの』を読んだときの日記を少し前に書いています。

「『ほんもの』〜白洲正子さんの本」〜2016年 10月 19日の日記
http://momokoros.exblog.jp/24732820/

その中で私は、「銀座に生き銀座に死す」は、あまたの文人たちに愛されたむうちゃんという女性の話しです。他にもむうちゃんのことが書かれている本があるなら読んでみたいです、と書いていました。

大岡昇平さんの『花影』が、そのむうちゃんを主人公にして書かれた小説と最近知り、『花影』を手にいれて読んでみました。

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大岡昇平さんは、むうちゃん(坂本睦子さん)がなくなる前の最後の愛人。むうちゃんはあまたの文士に愛され、小林秀雄さんや中原中也さんに求婚されたそうで、青山二郎さんがモデルだという登場人物もでてきます。
現実の人をモデルに書いたこの本はいろいろ物議をかもしだしたみたいです。

白洲正子さんの『いまなぜ青山二郎なのか』の中にも、むうちゃんのことが書かれているみたいなので読んでみたいです。

by momokororos | 2017-01-12 22:57 | | Comments(0)
お部屋の机の上の本です。

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おととい「フレンチ・カンカン」の映画を見たのですが、パリの本を無性に読んでみたくなり、お部屋の目の届くところにあったパリの本を集めました。

パリは長年憧れているにもかかわらず行けていないのですが、一度行ったらはまってしまうかなと思っています。

by momokororos | 2017-01-10 22:20 | | Comments(0)
今宵は、仕事をひけてから関西に行こうかなと迷いましたが、年末に京都に行っているので今回は行くのを控えて、学芸大学の流浪堂さんへ寄りました。

2時間くらい店内を回遊していたのですが、ほしい本が山のようで、お金的にもオーバーで、持ってかえるにも多すぎて、全部買えませんでした。

前に寄ったときに、お取り置きしてもらっていた好きな写真家の写真集と、今回見つけた版画集を手にいれました。
写真集はあまりに大型なので持ちかえれなかったので、版画集だけ持ちかえりました。

ささめやゆきさんの『細谷正之版画集』。

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細谷正之さんは、ささめやゆきさんの本名とのこと。

とっても素敵な版画集です。

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サーカスをテーマとした版画です。

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サーカス好きには惚れこんでしまう版画がたくさんです。
久しぶりに、ささめやゆきさんの版画にはまりました。

ささめやゆきさんの絵本や、挿絵の載っている単行本を何冊か持っていますが、みんな素敵です。

by momokororos | 2017-01-06 22:49 | 芸術 | Comments(0)
パリへの憧れ。
かなり前からずっとパリへ憧れていて、パリの読みものをよみ、パリの写真やパリを舞台とする映画をみて、パリに行った人の話しをきき、憧れは高まるばかりです。

最近は、パリで活躍したブラッサイさんの写真を見たり、ブラッサイさんのことを書いた『ブラッサイ パリの越境者』や、パリに来てブラッサイさんと親交を深め裏のパリをくまなく歩いたヘンリー・ミラーさんの『北回帰線』を読んでいます。

東京の森下にあるドリスさんで『パリ、娼婦の館』という本を見つけました。

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1800年代後半から1940年代の、国家公認のパリの娼婦の館である「メゾン・クローズ」のことが書かかれている本です。
フランスに詳しい鹿島茂さんの本であることで手にいれました。

メゾン・クローズは、その存在自体が議論になってしまいますが、当時の社会状況や考え方、人間の心理などを知ることができます。

鹿島さんがあとがきに書いている文章を引用します。

その存在を賞賛するにしろ断罪するにしろ、とにかく、それがいかなるものであり、どのように機能していたかを知ることが先決だという歴史家の立場に立つ以上、どうしても避けて通れないのが、メゾン・クローズとかメゾン・トレランスと呼ばれた娼婦の問題である。なぜなら、中世の昔から第二次世界大戦まで、フランスは、こうした娼館を社会のメカニズムの一部に組みこむことで成り立っていたからだ。いいかえると、娼館の存在を前提として機能していた社会を考察するのに、あたかも娼館が存在しなかったように振る舞うことはできないということだ。たとえば、フロベールやゾラ、プルーストを読むのに、高級な娼館や高級娼婦のことを知らないで済ますことは不可能なのである。
[鹿島茂、『パリ、娼婦の館』より]

わたしもこの本を読んで、メゾン・クローズをとりまく当時のパリのことや、わたしが惹かれる芸術家、詩人、文学者の行動など、たくさんのことが見えてきました。

トゥールーズ・ロートレックさんがメゾン・クローズに通って娼婦たちの生態を描いたことや、ジャン・コクトーさんが通ってホモセクシュアルの痴態を観察してイラストを描いたこと、バルザックさんが1700年代後半から1800年代前半に隆盛を極めたパレ・ロワイヤルの娼婦のことを書いたなど、フランス文学者の鹿島茂さんならではの引用に興味をいだきました。

そして、高級メゾン・クローズのシステム、リクルート、しつらえなどかなり考えられたものであり、現代の料亭などのサービス業やディズニーランドなどのアミューズメント業で工夫されているようなお客の心理に沿うサービスだったことがわかります。

先に述べたように、メゾン・クローズを仏語辞典にあるように「売春婦」とか「淫売宿」と訳すと、誤訳ではないにしても、その独特のニュアンスを取り落とすことがある。(中略)
このように、スファンクスは、「売春宿」などという訳語では全容を示すことのできないほどの広がりを持った高級社交場であり、連夜、パリのセレブリティーが群れ集って、饗宴を繰り広げていたのである。
[鹿島茂、『パリ、娼婦の館』より]


鹿島さんはフレンチ・カンカンのことについても書いています。

ようするに、ナナは、ロートレックの「ムーラン・ルージュ」のポスターに描かれたラ・グリュのようなカドリーユ・ナチュラリスト(いわゆるフレンチ・カンカン)を踊っていたわけなのだが、じつは、こうしたフレンチ・カンカンは、ナナのような元気のいい私娼が自分を最も高く売り付けるために考案したパフォーマンスにほかならず、「ムーラン・ルージュ」のポスターに黒いシルエットで描かれた鼻下長紳士たちは、そのパフォーマンスの観客であると同時に、肉体のバイヤーでもあったのだ。
[鹿島茂、『パリ、娼婦の館』より]

ここで出てくる「ナナ」は、エミール・ゾラさんの本の『ナナ』の主人公です。
5年くらい前に、三菱一号館美術館で開催されていた「トゥルーズ・ロートレック展」。展示されていた「ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ」は、有名な絵の1枚です。

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黒いシルエットで描かれたシルエットの人たちは、バイヤーの人たちであるとはつゆ知らずでした。図録には書いていないのですが、描かれたときの社会情勢を知ると絵にこめられた意味を理解することができます。

その当時のカンカンがそういうパフォーマンスの意味も含まれていたとは興味深いです。

何年か前に、学芸大学の CLASKAさんの屋上で上映された「フレンチ・カンカン」の映画を見にいったことがあります。
また見たくなりDVDを手にいれています。

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メゾン・クローズの一番上と一番下については、人々の好奇心が働くのだろうか、思いのほか回想や証言が残っている。だが、金持ちでも貧乏人でもない普通の人たちが通っていた中級店に関しては、案外、情報が少ない。特に、フランス語の資料が見つからない。
そう思っていた矢先、意外なところで格好の資料に出くわした。
美川徳之助という人物が残した二冊のエッセイ集『愉しわがパリーモンマルトル夜話』(光文社 昭和32年)、『パリの穴、東京の穴』(第二書房 昭和38年)である。1920年代前半にパリに5年間滞在し、モンマルトルを中心にかんらくに入りびたって放蕩を重ねていたらしく、メゾン・クローズに関して、赤裸々かつ具体的証言を残している。
[鹿島茂、『パリ、娼婦の館』より]

美川徳之助さんの『愉しわがパリ ー モンマルトル夜話』は持っている本でした。

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学芸大学の流浪堂さんで手にいれて読んでいなかった本なのですが、パリでのメゾン・クローズでの体験を赤裸々に語っている本とのことです。

鹿島さんは、日本で欧米の歓楽街のことを書いた本が昭和5年あたりに出版が集中しそして発禁本になっていることについて言及しており、4冊を紹介しています。

四冊のうち、もっとも体系的かつディープなのは、われわれの世代にとって悪魔学の権威として知られている酒井潔の『巴里上海歓楽郷案内』である。
[鹿島茂、『パリ、娼婦の館』より]

この『巴里上海歓楽郷案内』も持っている本です。

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こちらも学芸大学の流浪堂さんで表紙に惹かれて手にいれました。


新しい本を読んでいるときに、持っている本や読んだことのある本とつながることがとても楽しいです。
最近はそんなつながりがとても多くて、あらためて昔読んだ本を再び読む二重三重の楽しみを味わえます。
さらに引用されている本も読んでみたくなります。今回も、バルザックさんやエミール・ゾラさん、コレットさんの本など、たくさんの本を読んでみたくなりました。

by momokororos | 2017-01-05 22:46 | | Comments(0)

かわいいもの、ちいさなものが大好きです


by ももころろ