嵐と月を眺めるための窓〜嵐の好きなトーベ・ヤンソンさん

内山さつきさんの『Vägen hem トーベ・ヤンソンの夏の記憶を追いかけて』に感化されて、持っているヤンソンさんの本を引っ張りだしてきました。

内山さんの本に、こんなくだりがあります。

嵐が大好きだったトーベ。彼女の小説には、実に魅力的な嵐の描写がたくさん出てくる。水も電気もないこの島で、もしも嵐が来たらどうなるのだろう。私は少しだけこわいような気持ちで、ひそかに期待していた。
[内山さつき、『Vägen hem トーベ・ヤンソンの夏の記憶を追いかけて』より]

こちらは、芸術新潮のムーミン特集に載っていたトーベ・ヤンソンさんの小屋です。

嵐と月を眺めるための窓〜嵐の好きなトーベ・ヤンソンさん_e0152493_21480284.jpg


内山さんの小冊子に引用されているトーベ・ヤンソンさんの文章。

嵐と月を眺めるための窓〜嵐の好きなトーベ・ヤンソンさん_e0152493_22183288.jpg


『島暮らしの記録』に書かれている文章です。

わたしたちは小屋のようすを想像して夢をふくらませる。小屋には窓が4つ必要だ、どの壁にもひとつずつ。南東の窓は、島を横切ってずんずん迫る大嵐を眺めるために確保したい。東の窓は、溜り水に姿を映す月のためにとっておこう。

[トーベ・ヤンソン、『島暮らしの記録』より]

嵐と月を眺めるための窓〜嵐の好きなトーベ・ヤンソンさん_e0152493_21382527.jpg



トーベ・ヤンソンさんの画集には、こんな嵐のイラストがあります。

嵐と月を眺めるための窓〜嵐の好きなトーベ・ヤンソンさん_e0152493_22195739.jpg
嵐と月を眺めるための窓〜嵐の好きなトーベ・ヤンソンさん_e0152493_21390435.jpg



『たのしいムーミン一家』。

嵐と月を眺めるための窓〜嵐の好きなトーベ・ヤンソンさん_e0152493_14264387.jpg

ここにも、嵐が好きなトーベ・ヤンソンさんを感じるくだりがあります。

海のすがたは、すっかりかわっていました。いまでは黒っぽいみどり色をして、白い波がしらをしきりにおったてています。岩という岩は、まるでりんみたいに黄色く光っています。おごそかに鳴りとどろきながら、かみなりは南のほうから近づいてきます。
それは、海の上にまっ黒い帆をひろげ、空の半分をおおっています。いなずまは、ぶきみな矢を、しきりにきらめかしました。
「あらしのやつ、まっすぐに島をめがけてくるぞ。」
こう思ってスナフキンは、こうふんとよろこびで身をふるわせました。

[トーベ・ヤンソン、『たのしいムーミン一家』より]

嵐と月を眺めるための窓〜嵐の好きなトーベ・ヤンソンさん_e0152493_14270807.jpg


まさに、トーベ・ヤンソンさんの喜びそのものです。


『トーベ・ヤンソン ー仕事、愛、ムーミン』。

嵐と月を眺めるための窓〜嵐の好きなトーベ・ヤンソンさん_e0152493_19260647.jpg


この本には、

『たのしいムーミン一家』で島に出かけた一家が雨嵐に遭い、帆でテントを作り、ママが隙間を苔で埋め、スノークげ雨水はけ用の溝を掘るシーンは、現実世界が物語に入り込んだものなのだ。

[ボエル・ウェスティン、『トーベ・ヤンソン ー仕事、愛、ムーミン』より]

とあり、

『たのしいムーミン一家』には、こんな風に書かれています。

遠くで、ゴロゴロやりだしました。
「かみなりだ!おお、どうしましょう。
水平線上に、こわいような雲の峰があらわれました。それはどす黒い色をしていて、小さい明るいわた毛のような雲を前のほうにとばしています。ときおり、ものすごいいなびかりが、海の上をてらしだしました。
「島にのころう。」
と、ムーミンパパが決定をくだしました。
「一晩じゅう?」
と、スニフがあわれっぽい声をだしました。
「たぶんね。じきに夕立がやってくるだろうから、いそいで小屋をつくらなくちゃ。」
冒険号は、浜の高いところまでひきあげました。それから林のはずれに、船ね帆と毛布とで、いそいで小屋をつくりました。
すきまには、ムーミンママが、こけをあつめてつめました。スノークは、雨水がよくはけるように、小屋のまわりにみぞをほりました。

[トーベ・ヤンソン、『たのしいムーミン一家』より]



そして、『芸術新潮』。

嵐と月を眺めるための窓〜嵐の好きなトーベ・ヤンソンさん_e0152493_22200095.jpg


ここにも、トーベ・ヤンソンさんのグルーヴ島の小屋が紹介されています。

嵐と月を眺めるための窓〜嵐の好きなトーベ・ヤンソンさん_e0152493_22200423.jpg


ムーミンシリーズは、もう1冊持っているはずですが、探しきれませんでした。

今日の絵本〜トーベ・ヤンソンさん
~2015年7月14日の日記


トーベ・ヤンソンさんの海辺の素敵な小屋〜内山さつきさんの『Vägen hem』
~2018年9月9日の日記

# by momokororos | 2018-09-10 22:32 | | Trackback | Comments(0)

トーベ・ヤンソンさんの海辺の素敵な小屋〜内山さつきさんの『Vägen hem』

内山さつきさんの『Vägen hem トーベ・ヤンソンの夏の記憶を追いかけて』。

トーベ・ヤンソンさんの海辺の素敵な小屋〜内山さつきさんの『Vägen hem』_e0152493_19263193.jpg

トーベ・ヤンソンさんが、フィンランドのグルーヴハルという島で夏の26年間暮らしていた小屋に、内山さんが1週間滞在したときの記憶の小冊子です。

とっても素敵な文章と写真で魅了されてしまいました。

トーベ・ヤンソンさんの海辺の素敵な小屋〜内山さつきさんの『Vägen hem』_e0152493_19290849.jpg

トーベ・ヤンソンさんの海辺の素敵な小屋〜内山さつきさんの『Vägen hem』_e0152493_19291478.jpg

トーベ・ヤンソンさんの海辺の素敵な小屋〜内山さつきさんの『Vägen hem』_e0152493_19292093.jpg

トーベ・ヤンソンさんの海辺の素敵な小屋〜内山さつきさんの『Vägen hem』_e0152493_19292744.jpg


手にいれたのは、東京根津にある、ひるねこBOOKSさん。

トーベ・ヤンソンさんの海辺の素敵な小屋〜内山さつきさんの『Vägen hem』_e0152493_19320861.jpg


ひるねこBOOKSさんは、少し前に北岸由美さんの「わたしのお気にいり」の展示が開催されていましたが行けず、展示が終わったあとでひるねこさんに寄ってみたら、内山さつきさんの「とっておきのフィンランド」の展示が開催されていて、『Vägen hem トーベ・ヤンソンの夏の記憶を追いかけて』の小冊子を見つけました。
展示は明日9/10月曜までです。

トーベ・ヤンソンさんの本やムーミンの本は何冊か持っていて、取りだしてきてふたたび見かえしています。


# by momokororos | 2018-09-09 22:00 | | Trackback | Comments(0)

鶏白湯ラーメン〜高田馬場美味しいもの

東京目白。
目白には歩いていける距離に絵本屋さんが2軒、個性的な本屋さんが1軒あるのでたまに寄ります。仕事では目白にはよく行くことがあり、目白で食べることが多かったのですが、ここしばらく高田馬場で食べていると美味しいところが多いことがわかり、目白に行くときは高田馬場で食べることが多くなっています。

このまえ食べたのが、馬場口近くの蔭山さん。お洒落な外観のお店です。
自由が丘のフカヒレで有名な蔭山楼さんの鶏白湯のラーメンのお店です。

鶏白湯ラーメン〜高田馬場美味しいもの_e0152493_11274384.jpg


スープは味わい深く、でも濃厚さで食傷してしまうことがなく、最後までいただける味で美味しかったです。
コの字型のカウンターだけですが、女性1人のお客さんがいて、あとからも1人また1人と入ってきていました。

少し前ですが、蔭山さんからほど近いところにある鶏そばの、なんきちさんに入ったことがらあるのですが、鶏白湯かと思い鶏そばを頼んだら、醤油スープがらでてきて、しまった!、と思ったことがあるののですが、この醤油スープがいままで食べたことないほどコクあり、かなり美味しかったです。

鶏白湯ラーメン〜高田馬場美味しいもの_e0152493_11280479.jpg


高田馬場ではないのですが、他にはこんな鶏そばをいただいています。

麻布十番。

鶏白湯ラーメン〜高田馬場美味しいもの_e0152493_11283275.jpg


こちらはかなり濃厚です。


新丸子。

鶏白湯ラーメン〜高田馬場美味しいもの_e0152493_11285025.jpg


博多の水炊きもしばらく食べてないので食べたいです。





# by momokororos | 2018-09-08 22:29 | グルメ | Trackback | Comments(0)

みぼうじんカレー〜新橋美味しいもの

東京新橋。
言わずとも知れた美味しいものがたくさんの街です。

いまは新橋駅の海側の汐留で働いていますが、汐留ではたらく前も、新橋銀座界隈で美味しいものを食べていましたが、時々だと、美味しかったお店にふたたび行きがちになってしまっていました。すぐに行ける今は新しいお店に入る機会も多くなりました。

そんなお店の1つです。
新橋駅前のニュー新橋ビル。
駅の逆側の新橋駅前ビルにはよく入るものの、ニュー新橋ビルに行く機会はあまりなかったのですが、ここ1ヶ月くらいのあいだに3軒のお店に入っています。

先日、神戸元町の1003で買ったナポリタンの小冊子に載っている洋食のお店もニュー新橋ビルの1階にあるのですが、行列が絶えません。

2階、3階、4階と見にいきました。

3階にあったのが「みぼうじんカレー」というお店。名前があやしい感じですが、きれいなお店の外観なので、入ってみました。

ビーフの野菜カレーを頼みました。

みぼうじんカレー〜新橋美味しいもの_e0152493_05115987.jpg


炒めた野菜がターメリックライスの上にどっさりと載っていました。かなりのボリュームです。つけあわせに、淡路産のタマネギのピクルスがつきます。

味は甘辛で、甘い味のあとにほどよい辛さがきます。甘めのカレーが好きなわたしも苦にならない美味しい味でした。

お店は、3人の女性がきりもりしていました。

1階のにぎわいとはうって変わって、3階は静かなフロアで、他にとんかつのお店や肉料理のお店がありました。
2階はちょっとあやしいです。

新橋界隈はお店がありすぎて、どこに行こうか迷うほどです。うれしい悲鳴ですね。



# by momokororos | 2018-09-07 22:38 | グルメ | Trackback | Comments(0)

東京駅の素敵な駅前広場〜東京丸の内

先日の関西から金沢を巡るふらり旅。
実は、富山の越中八尾のおわら風の盆に行こうと思って家をでたのですが、北陸が大雨だったので関西にまず行って、関西経由で北陸にはいろうと思ってました。
それが、関西で遊びすぎて疲れ、金沢で美味しいものを食べて満足して、そのまま富山の越中八尾に寄らずに東京に帰ってきてしまいました。

普段は東京駅周辺は、地下通路を使いほとんど地上を歩くことはないのですが、
旅から帰ってきたとき、不思議と丸の内側のレンガの駅舎の東京駅を見たくなります。少し前に秋田から帰ってきたときも、わざわざ東京駅のレンガ駅舎をみています。

この前も、金沢から帰ってきたときに久しぶりに東京駅の地上改札から外に出てみたら、驚くような光景が広がっていました。

東京駅の素敵な駅前広場〜東京丸の内_e0152493_22303848.jpg


東京駅の丸の内側の駅前が大きな広場になっています。

東京駅の素敵な駅前広場〜東京丸の内_e0152493_19481794.jpg

東京駅の素敵な駅前広場〜東京丸の内_e0152493_19482229.jpg

東京駅の素敵な駅前広場〜東京丸の内_e0152493_19485548.jpg

この広場が道をわたって皇居の方にまで続いています。いつのまにかこんなに広い広場になったのかわからないのですが、十分すぎるほどのスペースをとった贅沢な空間です。

東京は、しばらく訪れていないと変わってしまっていることが多々あるのですが、あまりにも情報密度が高くて変化もはげしいのでついていけません。それが普段でも非日常が楽しめるということでしょうか。東京は毎日がハレの日です。



# by momokororos | 2018-09-06 22:41 | | Trackback | Comments(0)