夢中で読んだ〜大竹英洋さんの『そして、ぼくは旅に出た。』。

このあいだ、中目黒のCOWBOOKSさんを訪れたときにすすめられた、大竹英洋さんの『そして、ぼくは旅に出た。』。

夢中で読んだ〜大竹英洋さんの『そして、ぼくは旅に出た。』。_e0152493_22315336.jpg

知らぬまに夢中になって読んでいました。

大竹さんが、夢にいざなわれてアメリカの著名な写真家に会うために、アメリカとカナダにまたがるノースウッズを訪れる物語。

持っていった本について書かれているくだりがあります。

愛読書の、ヘンリー・D・ソローさんの『森の生活 ウォールデン』、サン・テグジュペリさんの『人間の土地』、星野道夫さんの『旅をする木』、ウォルト・ホイットマンさんの『対訳 ホイットマン詩集』、ジャック・ロンドンさんの『野生の呼び声』の本を持ってきていたことが載っていました。
森の生活』と『野生の呼び声』は読んだことがあるので、親しみを感じました。


燃料のマツボックリを拾い集めるのは、まるで栗拾いかキノコ狩りをしているようで、おもわず夢中になってしまいます。それをストーブの中に入れ火をつけようと思ったそのとき、焚きつけ用の紙を持ってきていないことに気がつきました。
(中略)
そうだ。これを燃やそう。古本だし、ジャック・ロンドンならきっと、こんな使われ方をしても怒らないんじゃないかな……、たぶん
などと勝手な理由で納得して、ぼくは読み終わったばかりの最初の数ページをちぎり、ストーブの底に突っ込んで、マッチで火をつけました。
[大竹英洋、『そして、ぼくは旅に出た。』]

究極の選択で本を焼くということが載っていました。ジャック・ロンドンなら許してもらえる、私もそんなような気がします。
そういえば、映画の「デイ・アフター・トゥモロー」にも、生きるための暖をとるために本を焼くシーンがでてきます。


この本を読んでいると、大竹さんの旅の体験、生きる体験に、自分が包まれているかのような感じがします。
ここにいるのを忘れるような読書体験。久しぶりにそんな感じを味わいました。
大竹さんの体験や思うことからも、学ぶことや共感させられることがたくさんです。

自分では手にとらない本だったのですが、すすめてもらってよかったです。他の人にもすすめたいノンフィクションです。

先日おとずれた、COWBOOKSさんの店長さんと話していたのてますが、昔は小説を読んでいたけど、今はエッセイを読むことが多くなりました。
エッセイを読まなかったわけではありませんが、劇的に変わったのは、かつて青山にあったCOWBOOKSさんに通うようになってからでした。

想像の楽しみもありますが、エッセイやノンフィクションに書かれている現実の強さを感じます。


「中目黒の魅惑の本屋と商店街」
2017年10月22日の日記


大竹さんの本を読んだあとに、たまたま訪れていた、姫路のおひさまゆうびん舎さんでは大竹英洋さんの写真絵本の『もりはみている』を見つけました。神戸の1003さんでは『そして、ぼくは旅に出た。』を見つけています。1003さんに大竹さんの他の本が2冊ありました。

行ったりきたり〜姫路から神戸京都、そして姫路
2017年11月4日の日記


by momokororos | 2017-11-07 22:21 | | Trackback | Comments(0)


<< 食とエロティシズム〜赤坂憲雄さ... 「森の中」のイベント〜金沢本多... >>