『幾度目かの最期』〜久坂葉子さん

先日、神戸元町に行っていたときに、1003さんで、久坂葉子さんの本を2冊見つけました。
久坂さんの本が2冊もすごいですね?と店長さんに話したら、久坂さんは神戸の人ですからと言われて、ああ、久坂さんは神戸だったと思いだしました。

久坂葉子さんの本は、2、3ヶ月前に『幾度目かの最期』を読んでいるのですが、この本のことを書いていながら投稿していなかったみたいなので、『幾度目かの最期』の日記を先にあげたいと思います。

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この中に収めれている一番最初の短編集の「四年のあいだのこと」を少し読んでみたら、素敵だったので手にいれました。
乙女の淡い恋ごころを描いた短編です。
淡い恋ごころが、だんだんと想いが高じていくところが少しこわいですが、そんなところも久坂葉子さんをよく表しているのかもしれません。

この本を読んでしばらくしてから、学芸大学の流浪堂さんで、久坂葉子さんのことを書いた本を2冊見つけています。

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『エッセンス・オブ・久坂葉子』の本の中にこんなくだりがありました。

私の生活、それは、決して順調ではなかった。短い短い期間ではあるけれど。
楽譜で云ったら、ところどころ、長調になったり、短調になったり、シャープがついたり、フラットがついたり、又、ナチュラルにもなったりした。
私の生活は感情生活だった。私は多く夢を見た。自分の生活、それを音楽の様にしたかった。美しいメロディーを、自分自身の生活に描いて行こうとした。然し、その夢は、いつもいつも破壊されて来た。感情生活は、時々危険な事もあった。口では、現実家だとか、理性に富んでるんだとか云ったが、実の私は非常に、ロマンチストでもあり、アイディアリストであった。
多くの人を愛した反面、多くの人を嫌った。すべて、物事を考える時、行う時、極端的であった。乱暴であった。その事が、如何に、近辺を荒した事か、私はタイレントだった可も知れない。
[久坂葉子、『エッセンス・オブ・久坂葉子』より]

自分の生活を音楽のようにしたかった、という気持ちには私にも通じるところあり、美しいメロディーに似た夢を描いているところも似ているかもしれないです。そんな似ているところやあやうさも含めて久坂さんに惹かれているのかもしれません。

久坂葉子さんが新宿ゴールデン街で飲んでいたくだりが出てきます。
少し前に新宿に行ったときに、昼間ですが、ゴールデン街の入口を覗いてみました。

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ゴールデン街は何度か歩いたことはあるのですが一度も遊んだことはないです。久坂さんが飲んだ街ということで再び興味をひかれます。

by momokororos | 2017-07-19 21:17 | | Trackback | Comments(0)


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