人と人とのいい時代〜本橋成一さんの『上野駅の幕間』の写真

奈良の入江泰吉記念奈良市写真美術館で、「入江泰吉 古色奈良路」を見た日記はこの前に書きましたが、同時に開催されていた本橋成一さんの「本橋成一 在り処」の展示もとっても素敵でした。

いろんなテーマでの展示がありましたが、上野駅の写真に惹かれました。写真から見える、古き時代の場所と人との関係や、人と人との関係がいいなって思いました。
展示されていた写真が、『上野駅の幕間』の写真集として出版されていることを知り手にいれました。

『上野駅の幕間』の写真集からいくつか紹介します。

ちょっと待っててねと言われたのでしょうか。何をするわけでもなくじっと待つという純粋な気持ちを感じます。

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ココロから贈る励ましのエール。

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見送り見送られる人と人との関係。
いまではなくなってしまった人と人との関係が見えるかのようです。

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愛惜の気持ち。気持ちが写真から伝わってきます。

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こんな光景もホームドアが普及するとなくなってしまうかもです。


一枚の写真から想像しうるもの。その子の気持ちに感情移入します。

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新聞紙の散らかった風景。

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好ましいとはいいがたいですが、この写真集には、駅のホームや構内で新聞紙をひいて列車や人を待っている写真がいくつも載っています。なぜを知ると気持ちが少し変わります。

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むかしは新聞紙をひいて座りこむ姿は駅や列車の中でいたるところで見られたような気がします。価値観は大きく変わりました。


いけないことなのに、微笑ましくもあり、お母さんのたくましさを感じます。

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人が人を許容できていた時代を想いおこします。表情やしぐさ、ふるまいからココロが見えていたからでしょうか。

展示会では、写真集のすべてが展示されていたわけではありませんが、展示されていた大きなパネル写真は気持ちに訴えるものがありました。

発車時刻と行き先が書かれた発車案内板も素敵です。

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素晴らしい写真集で、一度手にとってみられることをおすすめしたいです。
こちらは新版で、古い版もあったみたいです。古い版でも見てみたいです。
本橋さんの写真集は、ときどき古本屋さんで見かけていましたが、今度気をつけてみてみようと思います。

入江泰吉記念奈良市写真美術館での、「本橋成一 在り処」の展示会は、7/17月曜まで開催されています。


「入江泰吉 古色奈良路」〜入江泰吉記念奈良市写真美術館〜2017年 6月 10日の日記
http://momokoros.exblog.jp/25836645/


by momokororos | 2017-06-14 20:50 | 写真 | Trackback | Comments(0)


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