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2016年 10月 26日

室生犀星さんの『蜜のあはれ』〜栃折久美子さんの金魚の魚拓

室生犀星さんの『蜜のあはれ』の単行本を手にいれました。

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栃折久美子さんの金魚の魚拓の表紙で、憧れていた本の1つでした。

『蜜のあはれ』は、東京の国立のピチュンヌさんという雑貨屋さんの、本が大好きな店長さんに教えてもらった本で、文庫本で読んでいました。

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好きが高じて、金魚の魚拓の表紙の単行本がほしくて4、5年くらい前から探していました。探していたというより出会うのを楽しみにしていました。

去年、金沢にある室生犀星記念館を訪れてさらに好きになった室生犀星さん。
映画の『蜜のあわれ』が公開されたのにあわせて「蜜のあはれ」が展示されている今年の4月にも室生犀星記念館に訪れました。

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そのときに、室生犀星記念館の2階のライブラリーで、金魚の魚拓が表紙の『蜜のあはれ』の単行本が置いてあるのを見つけて初めて実物を手にとりました。

室生犀星記念館で出会ったことを京都西陣の古本のマヤルカ古書店さんに話したところ、魚拓の表紙の『蜜のあはれ』を持っているとのことで驚きました。マヤルカさんでは室生犀星さんのいい本を何冊か手にいれています。

しばらくしてから、神戸元町の古本の1003さんの店長さんから、阪神の古本市にマヤルカさんが『蜜のあはれ』の単行本を出展されていたと思う、と言っていたので、その次の日にマヤルカさんへ行ってみました。
マヤルカさんの店長さんは休みでしたが、お店番をしていた方が店長さんに確認をとってくれました。が、残念ながら出展していなかったとのことでした。

しばらく『蜜のあはれ』のことは忘れていましたが、神保町の古本屋さんで『蜜のあはれ』の単行本の初版を見つけました。偶然見つけたので喜びもひとしおです。

『蜜のあはれ』の表紙に使われている金魚の魚拓を、室生犀星さんから頼まれて苦労してとった栃折久美子さんは、その話しを『美しい書物』に書いています。

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さらに、室生犀星さんの『火の魚』にも金魚の魚拓の話しがでてきます。

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折見とち子なら父君の魚拓をとるところも見てゐたし、この人に魚拓を頼んで見たらどうだらうと私は思ひ、先ずこの人のほかに頼んで見る人もないやうだ、私は折見とち子に手紙を書いてこんどの本の内容には、一尾の朱いさかなが、結局死ぬことになり、空から頭を突つ込むやうにして海に降下して行く、さういふ精神力を持った魚拓がほしいのですが、願へたらその魚拓を一枚とつてくれませんか、実はその小説は一尾の金魚に託して私の昔知つた女の人を描かうとしたもので、たわいな小説ではあるが、そのたわいなさが書いたあとまで私に宿つて、困つてゐるとでも言へる小説なのです。
[室生犀星、『火の魚』より]

この中の折見とち子は、実際の栃折久美子さんをモデルにしていています。
栃折久美子さんのとった魚拓は、そのまま『蜜のあはれ』の妖艶な世界につながっているようにも思えます。


室生犀星さんの『蜜のあはれ』は何回か日記で紹介しているのですが、魅力あふれる作品です。

「蜜のあわれ」の映画も見たいと思っていたのですが時期を逃しました。

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主役の二階堂ふみさんは適役かなって思います。小説を先に読んで映画を見たいと思ったことはこれまでないのですが、いつか見てみたいと思っています。


「金沢春のお散歩(其の四)~室生犀星記念館」〜2016年4月13日の日記
http://momokoros.exblog.jp/24300989/

「金沢慕情(其の一)~室生犀星さん 」〜2015年5月9日の日記
http://momokoros.exblog.jp/23086942/


by momokororos | 2016-10-26 23:08 | | Comments(0)


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