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2016年 10月 11日

桐島洋子さんの美味しいもの〜『牡蠣は饒舌だった』

桐島洋子さんの『牡蠣は饒舌だった』。

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東京中目黒のCOWBOOKSさんで、スタッフの方と、東京の代々木上原や浅草のおいしいところや、パフェやケーキ、泥鰌、牛鍋などの食べものの話しで盛りあがっていたときにすすめてもらった本です。

桐島洋子さんは桐島かれんさんのお母さん。
読んだことがない方だったので、読んでみようかなって軽い気持ちで読みはじめたのですが魅力にはまりました。

牡蠣の魅力のくだりから始まります。

たしかにこの白葡萄酒の切れ味に、クレール産の牡蠣ほど似つかわしいものはないだろう。(中略)
温暖な海流でおっとりと育った日本の牡蠣はひ弱でおとなしいが、荒々しい寒流に揉まれたフランスの牡蠣は、味わいもしたたかで饒舌だ。海のヨードの味や香りと同時に、牡蠣自体の苦味と甘味も多い。これがワインの特性と宿命的な恋人のようにひき合い響き合う。とりわけサンセールのちょっといがらっぽい風味や、シャンパーニュ地方のキリッとした辛さが、最上の相性なのだ。
[桐島洋子、『牡蠣は饒舌だった』より]

わたしは、かなりむかし北海道の厚岸の牡蠣や、今年に広島で食べた隠岐の岩がきはおいしいなって思ったことはあるものの、どちらかというと苦手で、自分からは求めてはいただてはきませんでしたが、桐島洋子さんのこの文章を読んで、白ワインとあわせて牡蠣を食べてみたいとも思ってしまいました。

他にも美味しいもの食べた話しが満載で、桐島洋子さんの相棒が絶賛するフランスのの料理が期待はずれだったこと、パリで相棒が食材を買いかつてのフランス料理屋の味を再現してみせた料理に舌鼓をうったことや、先頃サミットが開催された志摩観光ホテルの料理、東京の芝巴町の蕎麦の砂場、京都の割烹の川上などの料理の話しがでてきて目が離せないほどでした。

わたしが入ったことあるのは、芝巴町、今でいう虎の門にある巴町砂場しかないのですが、桐島洋子さんが描かれる美味しいものには引きこまれます。

桐島洋子さんの相棒が、東京の街をパリの街になぞらえるのも好きです。

新宿西口で飲んでいると、昔のパリのレアールを思い出すんだよ。今ではショッピング街になってしまったけど、中央市場の頃には猥雑を絵に描いたような具合でね。つまり旨いもの屋と悪場所が隣合っているんだな。そんな街のメカニズムがぼくをゾクゾクさせる。
[桐島洋子、『牡蠣は饒舌だった』より]

街の猥雑性や、異質なものが隣りあう街に魅力を感じます。
最近はご無沙汰していますが、大阪梅田界隈の、お初天神界隈や兎我野町に太融寺町の猥雑性、中崎町の昭和レトロな感じ、茶屋町の若者の活気、西梅田の高級感、大阪駅前ビルの雑多な感じにそれと組みあわされデアモールの洗練された感じ。異質なものを許しあう文化というのでしょうか、魅力を感じてやみません。
東京の新宿ではあまり遊びませんが、そんな街かなっと思います。
街のキワも好きで、最近注目しているのは、東京の渋谷神山町から代々木公園のあたり、渋谷の松濤から神泉町界隈です。そして神戸の北野ホテルがある界隈です。

閑話休題。

桐島洋子さんの本には浅草界隈の話しものでてきます。

つまり、彼は東武線のガードを見て、昔住んでいたパリの下町を思い出すというのだ。
東武線ガードはゆるいカーヴを描いて道路を斜めの曲線で切り込むようにデザインされている。この鋼鉄の作りと独特のカーヴは、他の東京では見ないものだ。このカーヴは日本的でなく真にフランス的、パリ的なのだそうである。
[桐島洋子、『牡蠣は饒舌だった』より]

食べものだけではなく、街への慕情とあいまっておいしものが記憶がきざまれるかのような気がします。

桐島洋子さんの文章にでてくる、一緒に食事をしている相棒は、洋子さんの夫。かなりおいしもの好きでどんな人か気になります。


by momokororos | 2016-10-11 23:53 | | Comments(0)


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