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2016年 10月 04日

美味しい料理のこと〜『みをつくし料理帖』

高田郁さんの、みをつくし料理帖シリーズの『心星ひとつ』のくだり。

つる家は本当に良い常客に恵まれた、と澪はつくづく思う。昔、天満一兆庵の嘉兵衛から教わったことだが、何かを美味しい、と思うのは、ただ料理の味のみで決まるものではない。どんな場所で誰と食べるか、というのも大いに味を左右する。見知らぬ者同士が料理をきっかけに話したり、ほかのお客の会話に相槌を打ったりして、和やかな雰囲気の中で食べるものは、いずれも美味しく感じるものだ。
つる家の料理を美味しくするのお客さんたちだわ、と思った途端、澪のまゆは曇った。
[高田郁、『心星ひとつ』より]

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高田郁さんのみをつくし料理帖シリーズは、大好きな本の1つです。

『心星ひとつ』を読みながら思いが巡ります。

そのむかし料理は、味・雰囲気・人、と思っていたのが、いつしか、人・味・雰囲気、と思うようになっていました。さらに美味しいねって言える相手がいるなら、なお美味しくいただけるような気がします。

高田郁さんの『心星ひとつ』を読んでいて、他のお客さんの存在も大きいなって思いました。
初めてお店で出会った お客さんと会話をしたり、お店の主人と他のお客さんとの会話をすることもさることながら、美味しいと会話が弾んでいるお客の楽しげな様子や、そのお客の食べているものも気になり同じものを頼んでみたくなったりすることもあります。

禅の言葉に、「主客一体」という言葉があるのですが、主人(招く側)とお客(招かれる側)が対等になって、共にその「空間」と「時間」を楽しむことを意味します。
主人の一方的な気配りではなく、お客の方も気配りやその場にみあう品格やたしなみをされる考え方だと思っています。
茶道では、「一座建立」という言葉で表します。

サービスをする側とサービスを受ける側という区分けではない、その場の空気感、雰囲気をお客である私も意識して振る舞うし、振る舞いたいです。

高田郁さんの本を読みながら、ここ最近美味しくいただいてきた金沢、岡山、札幌、富山のお店を思いだし、また行きたいなって思ってしまいます。


by momokororos | 2016-10-04 23:12 | 料理 | Comments(0)


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