『おおきな木』〜シェル・シルヴァスタインさんの絵本

お部屋でとある絵本を探していたら、ずっと探していた別の絵本もでてきました。

出てきた絵本は、シェル・シルヴァスタインさんの『おおきな木』。

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持っていたのは本田錦一郎さん訳の絵本。
しばらく前に村上春樹さんの訳がでたので、訳の違いを比べてみたいと思っていました。

新しい村上春樹さんの『おおきな木』の絵本を姫路のおひさまゆうびん舎さんで見つけました。

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表紙の色がかなり違っていて、タイトルのフォントも異なります。

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訳の違いが気になります。

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少年が大人になって帰ってきたときに枝をさしだし、さらに時をおいて戻ってきた老人に幹を切られることをいとわなかった「き」。

きは それで うれしかった・・・
だけど それは ほんとかな。
 (本田錦一郎さんの訳)

それで木はしあわせに・・・
なんてなれませんよね。
 (村上春樹さんの訳)

And tree was happy….
but not really.
(原書)

原文をどう解釈するのかですが、どちらかというと、本田錦一郎さんの訳の方が好きです。
本田さんの「ほんとかな」で、自分自身も「ほんとかな」って考えてしまいます。

全体的には、村上春樹さんは原文に忠実に訳しているかなって思います。

ちなみに原書の表紙はこちらです。

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絵本を読んで楽しむことに加えて、翻訳の仕方を通じて、文化の差異や作者の意図、翻訳者の意図まで思いを馳せます。
多様な解釈を通じて気づかされるものいろいろあるなあって感じます。

by momokororos | 2016-08-16 22:32 | 絵本 | Trackback | Comments(2)
Commented by おひさまゆうびん舎 at 2016-08-23 13:13 x
こんにちは。
こうやって並べて下さると違いが良く分かりますね。
ありがとうございます。
慣れ親しんだせいもあるのでしょうが、私もほんださんの訳の方が好きです。
村上さんは小説が好きかなあと思いました。
Commented by momokororos at 2016-08-23 21:45
こんにちは。
村上春樹さんの『おおきな木』は、
発売されたときから比べてみたいと思っていました。
ありがとうございます。手にいれることができました。
村上春樹さんの小説、『羊をめぐる冒険』『ダンス・ダンス・ダンス』が
好きで読んでいましたが、
それ以降、かなりあいて、
『かえるくん、東京を救う』を読んだだけです。
いいのがあれば紹介してくださいね。


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