素敵なモノみつけた~☆

momokoros.exblog.jp
ブログトップ
2015年 06月 24日

現実と夢の街の迷宮~森見登美彦さん hondana

森見登美彦さんの『夜は短し歩けよ乙女』。

e0152493_5283881.jpg

ちょっと前に再読した人の話しを小耳にはさんだので、わたしも奥から引っ張りだして読みはじめました。
2007年に読んだ本のベストの1冊です。

森見さんの本の中でも、京都を舞台に展開する話しは現実と幻想が混じりあう街の情景が魅力で、わたしもそんな中で遊んでみたくなります。

少し長いですが、夜の京都木屋町のくだりです。

小さな鉄扉をくぐってビルの裏手に貼りついた非常階段へ出ると、見慣れない入り組んだ景色を見下ろすことができました。
背の低い雑居ビルが凸凹の影となって南北に長く連なる中に、ところどころネオンや街灯の明かりが見えます。焼き肉屋の大きな電飾がビルの屋上に瞬いています。電線がまるで網をかけたようにその家並を覆っています。歓楽街かと思いきや、離れ小島のような民家の物干し台などがぽつんて見え、それはまるで秘密基地のように見えるのです。目と鼻の先が横長にぼんやり明るいのは、南北に延びた先斗町でありましょう。眼下にある小さな町並は、木屋町と先斗町の間に押し込められた迷宮のようにも思われました。
[森見登美彦、『夜は短し歩けよ乙女』より]

描かれる情景に惹かれ、街の迷宮に憧れます。夜は幻想の宝庫です。
そんな憧れの気持ちを鼓舞するような世界を森見さんは描きこんでいます。
知っているところと知らないところ、実際にある場所なの架空の場所なのかが交錯し、知らないところは街に出向き確かめてみたくなります。

by momokororos | 2015-06-24 05:26 | | Comments(0)


<< 堀辰雄さんの山荘~軽井沢高原文...      知事公館の素敵なお庭~札幌 >>