早春の野草~白洲正子さんの「花日記」

白洲正子さんは大好きな作家さん。
「韋駄天お正」の異名をもつ破天荒とも思えるかのような人生を歩んできた人であるのだけど、行動と深い洞察力をもち、作家だけにとどまらず、生き方、考え方に共感します。

少し前に読んだ白洲正子さんの「雨滴抄」。
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この中に、藤原家隆の歌が引用されています。

花をのみ待つらん人に山里の雪間の草の春を見せばや

「見せばや」は「見せたいものだ」の意味なのですが、いい歌です。

そして、今日。
家に帰ってからゆっくり本を読もうと思ったのですが、なかなか気持ちにしっくりする本がありません。
好きな作家さんの、林芙美子さん、武田百合子さん、白洲正子さん、志村ふくみさん、岡部伊都子さん、鴨居羊子さん、三岸節子さん、宇野千代さんなどのエッセイもココロに響かない。

自分は何を求めているのだろうと思いながら、探した本。
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この中に早春の武蔵野のくだりがでてきます。

寒い外気のなか、ときには薄雪が武蔵野の雑木林を覆うころ、風の匂いにも春のかすかな気配があって、気がついてみると、落ち葉の陰や残んの雪間に野草が小さな芽をのぞかせている。ー そんな光景にめぐりあうと、また春に出会えた、という喜びにひたれるからだ。
(「花日記」白洲正子、世界文化社 より)

武蔵野の雑木林が好きで、国立(くにたち)の一橋大学の構内の雑木林を見にいきたくなります。
もっといろんなところに素敵な雑木林があると思うのですが知らないので、今は一橋大学の雑木林を歩くだけで満足しています。

国木田独歩さんの「武蔵野」も好きな本で、渋谷に武蔵野の面影が残るくだりが書かれているところは大好きです。

白洲正子さんの「花日記」の先のくだりの続きです。

春「たけなわ」を過ぎて以降の旺盛な生命力には、圧倒されて憂鬱になるが、早春のみずみずしさには、いのちそのものを感じ、胸が痛くなるほどの感動をおぼえるのである。
その、小さな芽の代表が、ふきのとうだ。何といっても一番早く現れ、しめり気をふくんだ土の香にまじって、珠玉のような浅緑の頭をもたげる。

花をのみ待つらん人に山里の雪間の草の春を見せばや

(「花日記」白洲正子、世界文化社 より)

藤原家隆の歌が引用されています。

この本、文章だけでなく、花器に活けられたお花の写真が載っていて素敵な本です。しばらく、この本を楽しみたいと思います。
by momokororos | 2014-02-27 22:56 | | Comments(0)

かわいいもの、ちいさなものが大好きです


by ももころろ