おいしいものへの想い~「吟味手帳」

同じ食べるならおいしいものを食べたい!と思っています。探検してお昼にはいろいろ食べていたりもしながらグルメな話題を最近書いていません。おいしいものを想いおこすかのように食の本をいろいろ読んでいるのですが、最近読んだ本の紹介です。

小島政二郎さんの「吟味手帳」(日本経済新聞社)

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COW BOOKさんで「京都なるかな」と「熊本城の美しさ」の章を見て買いました。
京都も好きですが、熊本城は全国で一番好きなお城で共感しました。
熊本城が出てくるくだりは、ほんのわずかなんですけどね。

東京、京都、大阪、神戸、名古屋、長崎、福岡など全国のおいしいところが満載です。
おいしいものはとことんまで褒め、そうは感じられないものは辛口になります。
昭和46年の本なのですが、今でも残っているお店がいろいろと出てきます。
中でも京都のおいしいお店の話題が一番多いです。京都のことを贔屓にしすぎたと言っていながら、また京都の味の話になっています。堺萬、鍵善、鳥弥三、大市、辻留、麩嘉、湯葉半、河繁、京味、神馬堂、松屋常磐など、お料理から甘いものまで、旅や料理を囲む文人たちの交遊も含めて描かれています。
行ったことのあるお店に共感し、行ったことのないお店に憧れながら読み進めていました。
これをきっかけに自分の舌で確かめてみたいって思っています。

京都国立博物館近くにある鰻雑炊の「わらじや」、昔は「わらんぢや」で、今のお店と別物のお店だったそうです。蝋燭の火を照明として使っていた頃もあったとのこと。谷崎潤一郎さんが訪れたときの話しや「陰翳礼讃」の文章のくだりも引用されています。陰翳礼讃は好きな本なのですが、あらためて読んでみたいなって思いました。

鳥料理の話題が後半に書かれていて、鳥好きの私にはたまらない文章で、お店が今でもあるかな、という期待感も持ちながら読み進めていました。久しぶりに行きたいなって思うところがたくさんでした。その中でも東京の薬研堀の「鳥安」さんは、値段はかなりはりますが行ってみたいなって思う筆頭です。
「今も繁昌している鳥屋は十軒近くあるだろうが、昔馴染の第一は、薬研堀の鳥安を挙げなければなるまい。鳥と言っても、ここは相鴨だ。相鴨とは、よくは知らないが、鴨とあひるの合の子だそうだ。これが存外うまい。私なんかには、本当の鴨よりも癖がなくってうまい。こんなことを言うと、本当の食通には笑われるだろう。この店は、古くは谷崎潤一郎の御贔屓の店だった。初めはジュージュー焼いて食べる。谷崎好みのしつッこい味で、しつッこい物の好きな私には幾らでも食べられる。」
(小島政二郎「吟味手帳」より)

天麩羅のうまいお店もでてきます。
料理の中で天麩羅が一番好きなのですが、今でもあるお店が載っていてうっとりです。

少し前に神戸元町の「ハニカムブックス」さんで買った「あまカラ」にも、
小島政二郎さんが「食ひしん坊」というタイトルで連載を載せていました。

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1960年7月の「あまカラ」の中の連載は、「食ひしん坊(102)」が載っています。
連載が102とはすごいです。どこまで続いていたのでしょうか。

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昔の作家さんは、うまいものを食べているような気がするのは気のせいでしょうか。
今のお店からすると、かなり高いと思うお店に訪れていていて憧れます。
嵐山光三郎さんの「文人悪食」を読むと、借金をしていた輩も多かったみたいです。

前に日記に書いた山内金三郎さんの「甘辛画譜」に出逢ってから沸きおこるグルメ心。
グルメ巡りが再燃してしまいそうです。
by momokororos | 2010-02-04 22:58 | 読書 | Comments(0)

かわいいもの、ちいさなものが大好きです


by ももころろ