梨木香歩さんの「f植物園の巣穴」(朝日新聞社)を読みました。
植物園に勤める男性が主人公です。 現実世界のふとした風景や花や木の香り、言葉から、記憶を覚醒させます。 現実との整合性に悩みつつ、記憶をたどり客観的に潜在的な気持ちを思い起こします。 現実からの剥離感による悲壮感はなく、 植物が記憶のいざないのきっかけになり、懐かしさに似たような感じがします。 別の場所にいきなりタイムスリップしたような感じとか、人でないものとの会話など、 理解する、という感じではないのですが、気持ち的にしっとりと寄りそうような感じがします。 現実のストーリ性のある物語を求める人はあまり好きではない本かもしれませんが... 同じく梨木さんの「家守奇譚」という小説も植物をテーマとしていて 前に読んでいたのですが、また読みたくなりました。
by momokororos
| 2009-09-19 23:03
| 読書
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Comments(4)
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from 粋な提案
at 2010-06-21 16:39
タイトル : f植物園の巣穴 梨木香歩
歯痛に悩む主人公がある日、木のうろの中に落ちると、そこは異界だった。 前世は犬だった歯科医の家内、ナマズ神主、愛嬌のあるカエル小僧、 漢籍を教える儒者、そしてアイルランドの治水神。 登場する神々ぎ..... more
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midorizaka at 2009-09-20 08:32
これもよさそうですね~^^
梨木さんは「春になったら苺を摘みに 」「裏庭」を読んだことがあります。タイトルと表紙に惹かれるんですよ。 「春になったら…」はタイトルとは関係ない(笑)エッセイなのですが、これが予想以上に面白かった~^^
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momokororos at 2009-09-20 10:22
こんにちは、midorizakaさん
この本、はまる人ははまりますが、わからない人もたくさんかもです。 梨木さんの「春になったら苺を摘みに 」は読んだことないです。 他の作家さんもそうなんのですが、小説を書く作家さんのエッセイだと少し敬遠してしまっている不思議な自分がいます。 読んでみたいと思います。
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藍色
at 2010-06-21 17:04
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momokororos at 2010-06-23 23:10
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